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最近読んだ本 [本の感想]

ようやくTVも秋のドラマ放映を始めてくれて、ほっと一息…て、私は全然関係はないけれど。

季節の変わり目のTVの特別番組地獄というのを、いい加減にやめて欲しいと思うのだが、容赦しないねえ~(笑) いつまで経っても変わらない。むしろ拍車がかかっている。

しかも、衝撃映像とか、おもしろ映像とか、一般人が撮った映像だったり、以前報道されていた映像だったりを編集しなおして、そしてとりあえずタレントを添えておけばいいじゃん、というような番組作りというのはいかがなものだろうかと思う。

だいたい衝撃映像ってあんまり好きではないんだよね~。趣味の問題でもありますが…。


さて、体調が悪くなってからというもの、本が読めないでいた。いや、読んではいたけど、あんまり頭に入っていなかったり、ものすごーく時間がかかったりしていた。

そんなわけでリハビリ的な意味で選んだ本はこれ。

片桐はいりさんのエッセイ。

もぎりよ今夜も有難う

もぎりよ今夜も有難う

  • 作者: 片桐はいり
  • 出版社/メーカー: キネマ旬報社
  • 発売日: 2010/07/30
  • メディア: 単行本


片桐はいりさんは、言葉の選び方とか、表現の仕方とか、実にうまい人で、何でいままであまり書いてきていなかったのだろうと思うような逸材。

「わたしのマトカ」「グアテマラの弟」を読んで、早く次のエッセイが出ないものかと思っていた。

そしたら「もぎり」…って?

と手にとって見れば、片桐はいりさんは学生時代に映画館のもぎりのアルバイトをしていて、その頃の思い出話や、映画だけではなく、映画館への熱い思いを語っていたのだった。

1つ違いとはいえ同世代の片桐はいりさん。彼女の思い出話は、「あ、そうそう!」と思うことが多く、これをまた絶妙な言葉選びで語るものだから、にやにやしてしまった。

本の帯に樹木希林さんが、「『もぎりよ今夜も有難う』 何ていいタイトル。自分を知っている人は愉快だ。」と言葉を寄せているが、それはまさにその通り。

そんなに高くはないバイト代であろう「もぎり」だけど、でもそのもぎりのお陰で、いろんな映画を観、いろんな人と出会い、いろんな場面に遭遇する。「有難う」と言いたくなる気持ちがすごくわかる。うまいなあ~。

私が「そうそう!」と膝を打った話は、日比谷パークビルにあった「アメリカン・ファーマシー」のくだり。

「わたしは子どもの頃から、アメリカ映画の残り香をかぎたい時には決まってこの進駐軍の名残の店を訪ねていた」とある。

本当にね。アメリカン・ファーマシーは、アメリカのドラッグストアをそのまま持ってきたみたいな…そんな雰囲気のお店だった。その昔、あんまり物事がよく分かっていなかった頃は、「この店は一体なんなんだろう」と思ったものだが、いい大人になってからはアメリカンな香りをかぎたくて、近所にあった仕事のお得意さんを訪ねながら、よく寄ったものだ。

いまはなき「アメリカン・ファーマシー」…日比谷パークビル。

そして、地方に行っては懐かしい形の映画館に出合うと、必ず寄ってしまう片桐はいりさんの映画館ラヴ!な感じが微笑ましい。

昔は確かに、映画を観にいくとなれば日比谷、有楽町、銀座へ行ったもの。その前に、私は川崎で生まれたので、川崎駅近くの映画街へも行った。…いまは「シネチッタ川崎」になってしまったけれど。

それから渋谷の東急文化会館。あとは横浜の相鉄ムービル。

これらはもうみんななくなってしまったり、場所が変わったり、形態が変わったりしている。

シネコンも座席指定や入れ替え制で面倒くさくなく便利だけれど、昔ながらの映画館の、映画の途中から観始めたり…立ち見で、後ろのほうから一生懸命観たりする、そんな映画の観方が懐かしいなあと思った。…片桐はいりさんも懐かしんでいるのだ。

考えてみると、映画一本観るのに、結構気合が入っていたような気がする。いまは曖昧だなあ。

あと面白かったのが、「トム・クルーズの魅力が分からない」と言って、その魅力を分かるまでトム・クルーズの新作映画を観にいくというところ。いまだに、何本新しい映画を観てもトム・クルーズの魅力は分からないらしいです(笑)


もう1つ、まだ完読していないんだけど、村上春樹さんのインタビュー集。

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/09/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ノーベル文学賞の受賞を見込んで出版したのかな、とタイミング的にも思わなくもないが、受賞までの伏線と取ってもいいかも…な本。

面白く読んでいます^^

そうだ。

以前書いたかもしれないけれど、私は村上春樹さんにばったり会っている…というか、ばったり目が合ったことがあるんだ。

たぶんそう。

だいぶ前なのだが、神保町へ本を買いに行ったときのこと。すずらん通りの横を出る出入り口を上って右に曲がったとき、ぱっと目が合った男性がいたのだ。目が合ったものの「何だか見たことのある人だなあ」と思いつつ通り過ぎ…そしてしばし考えた。

「見たことあるよなあ」

「誰かに似ているよなあ」

「誰だっけなあ…」


…………


……「あ、村上春樹にそっくり!」

と思ったのでした。

そうして家に帰ってきてから夫T君に「村上春樹にそっくりな人を神保町で見たんだけど……」と言うと、「それ、本人じゃないの?」とT君は言う。

「ええ? そうなの」と驚く私。

「うん、あの人、普通にそこら辺を歩いていたりするらしいよ」

「へえ」

いいものを見ました(笑)

私の記憶が正しけりゃ、ですが、写真のまんまでした。



入院中に読んだ本。

現代霊性論

現代霊性論

  • 作者: 内田 樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/02/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



ぼくたちが聖書について知りたかったこと

ぼくたちが聖書について知りたかったこと

  • 作者: 池澤 夏樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/10/28
  • メディア: 単行本





おしまい。
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最近読んだ本 [本の感想]

北海道話はちょっとブレイク。

最近読んだ本について書きます。

まずは。

石の扉―フリーメーソンで読み解く世界 (新潮文庫)

石の扉―フリーメーソンで読み解く世界 (新潮文庫)

  • 作者: 加治 将一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2006/01/27
  • メディア: 文庫

 (アフィリエイトではありません。以下、同)
「龍馬の黒幕」を読んで、この本の著者に興味を覚えたので、加治 将一さんが書いた「石の扉」にも手を出した。これは夫T君がだいぶ前に買った本。

たぶん、彼も自分で買ったことを忘れているのではないかと思うのだけれど、妻の私が読んだ。

なんというか、「フリーメーソンというのはいい団体である」ということを書き綴っている。

おそらく加治さんという人はフリーメーソンに加入している人で、確かに内部までよく知っている人なのだと思う。ただ、この歴史が苦手な私でも「それは歴史認識として違うんじゃない?」というような記述がいくつかあって、眉唾に感じなくもない部分があった。

「龍馬の黒幕」ほど、なるほど~と思わなかったのだ。

フリーメーソンの『ノーブレス・オブリッジ』…「高い身分・地位に伴う義務と責任」という考えは賛同するけれど、結局は特権階級の人々の集まりとしか思えず、部分的には社会に役立っていると思うが、基本的には庶民には全く関係のない団体といっていいと思う。

しかし、影響力の強さを考えると、いかがなものだろうか。結局は特権階級であればいいのだ、という特権的意識しかないように思えるし、お金や地位があるから、世の中を動かしていけるという驕りも感じられる。

フリーメーソンがそんなにいい団体なのだとしたら、お金や地位や人脈を駆使して、ちゃんとしたいい世の中を作りなさいよっ! とちょっとムカついて読み終えた。

フリーメーソンを「秘密結社」というから、オカルティックにとらえてしまいがちなのだと思うが、いまやライオンズクラブとか、ロータリークラブとかと変わらないのではないかと思う。

ただ歴史が古く、ややオカルティックな側面も無きにしも非ずなので(私の認識では呪術のようなことができる儀式を知っているのではないかと思っているのだ)、それこそちゃんと責務は全うして欲しいものだと思うけれど……。

お金持ちのお遊びかな。

前にも書いたが、鳩ポッポさんのフリーメーソン疑惑。これがもし本当だったら、この本を読み終えた後では迷惑な気がした。

でも鳩ポッポ弟の離党って、兄が首相になったことと関係がないわけではなく、何か思惑があるような気がして仕方がない…勘だけど。


次。

老兵の消燈ラッパ

老兵の消燈ラッパ

  • 作者: 佐藤 愛子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本

我が心の師の一人である、佐藤愛子姐さんの新作エッセイ。

もうこんなに年をとっちゃったのかあ~、と少し悲しくなった。舌鋒の鋭さがやや薄まった気がする。本人も年齢も年齢だからと言っているし、そろそろ愛子姐さんの話は読めなくなってしまうのか…と、それはすごく寂しい。

御年87歳だ。う~ん。

日本のその昔を語ってくれる人が少なくなってきたなかで、日本の昔を鋭い視点で見て書いてきた愛子姐さんには、まだまだ元気でいて欲しいと思うのだ。

小林信彦さんもそうなのだが…(我が心の師の一人^^;…一体何人いるのか?)。

ただただそう思うだけで。

タイトルがさらに悲しみを増すなあ。


それから。

グーグーだって猫である(5)

グーグーだって猫である(5)

  • 作者: 大島 弓子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/02/26
  • メディア: 単行本

すっかり猫オバサンになってしまった大島弓子さんの新刊。

猫に対する想いがヒシヒシと伝わってくる。やっぱり死んじゃう猫もいて、それが描かれているページを開くだけでも辛さが伝わってくるんだ。

どうしてこんなに猫オバサンになっちゃったんだろう、大島弓子さん。

それと、猫を里子に出すときのことも描いているのだが、その人々とのコミュニケーションの取り方だとか、里子に出すときの思いとか、しっかりと描かれていて、この人はちゃんとした人だなということがわかる。

いい人なんだよね、結局。

「グーグーだって猫である」のタイトルで、まだ連載されていることもすごいと思った(やめそうなものなのに…)。


そしてもう一つ。

「時間とお金があるのならば、展覧会は地方に行くべき」と書いたばかりなのに、その舌の根も乾かないうちに、東京は日本橋三越へ岩合光昭さんの猫の写真の展覧会に行ってしまった。

従姉にタダ券をもらったゆえに、そして猫の写真展だし、行ってしまったのだ。

折りしも行ったその日は最終日。やっぱりものすごい人人人。

「行かなきゃよかった」と少し悔やんだ。でも猫は可愛いし、展覧会場をとにかく早足で、ざーっと観ながら駆け抜けた感じ。

来ていた人のなかではこんなことを言っている人がいた。

「今日は人が少ないわねえ」

<ええええ~~~???? これで~~~?>

東京の人口密度ってどれだけなんだろ。

そして展覧会。図録を買うのは恒例。これは買っておかなくちゃ、後で手に入れられるかはわからない代物。

これ。
岩合さん.JPG
ふっふっふ。岩合さんのサインをもらってきてしまった。

はからずも最終日だったからか、臨時のような形で岩合さんのサイン会が行われていた。

展覧会場を駆け抜けた私は、図録を買い求め外へ出てみると、サイン会が行われているテーブルの前には、2,3の人しかいない。

これはサインをもらわないわけにはいかんでしょう。さっさと並んだ。すぐに順番が回ってきた。

岩合さん、見るからに純朴そうな人。笑顔がいいわ~。だから動物写真を撮っていられるんだろうな、と感じられる人だった。
http://www.digitaliwago.com/

案外、私ってば幸運?

展覧会の人の多さに不満たらたらだったが、幸せな気分で帰ることができた。

あ~、猫が可愛いわ~♪



ちなみにまだD君後継猫にめぐり合っていません。気長に行きます、はい。



おしまい。
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最近読んだ本 [本の感想]

昨日まで北海道に、またも行ってしまいました。晴れたり、雪が降ったり、暖かかったり、寒かったりの北海道でしたが、旅日記はのちほど……。

まずこちらの話を。

「ああ、これはまるでD君!」と表紙の写真を見て、手に取った本。
オスカー―天国への旅立ちを知らせる猫

オスカー―天国への旅立ちを知らせる猫

  • 作者: デイヴィッド ドーサ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/02/25
  • メディア: 単行本


ピンクのお鼻とハチワレ…そして後姿なんてD君にクリソツで、は~と崩れそうになったが、内容がまた泣かせるお話だった。

この猫のオスカー君。アメリカはロードアイランド州プロヴィデンスにあるナーシングホームで暮らしている。

あるとき、ここで働く看護師のメアリが気づくのだ。オスカーはこの世を去っていこうとする認知症の患者さんに寄り添うということを。それも、予知するかのように亡くなる数時間前に患者のベッドに飛び乗り、その人のすぐ横で丸くなりながら寝るのだそうだ。

そうして葬儀屋さんがその人を連れ去るまで、ずっと付き添うのだという。

これだけ読むと、死んでいくことを予知されて怖いような気もするのだが、読んでいくと、オスカーという猫が存在するだけで、患者さんもその家族も、そして看護師、医師もまた気を紛らわせることができ、とても和んでいる様子が窺える。

当初、この本の著者のデイヴィッド・ドーサ医師は、メアリの話すことを疑り深く聞いているのだが、オスカーがすることを見ているうちに、メアリの言う不思議な「オスカーの予知能力」を目の当たりにし、やがてはオスカーが看取った患者さんの家族に話を聞きに行くまでになる。

そして訪ねた家族はそれぞれ言い方は違えど、「オスカーに助けられた」と言う。

介護・看護の大変さ、家族の苦労、看護師や医師の思いもこの本では語られていて、身につまされる思いもする。しかしオスカーの存在、ほかに暮らしている動物たちの存在が、介護や終末期にとても役に立つのだということを知らされる。

動物の持っている能力の高さ、底力を見せられたような気がした。

猫好きである人にも読んでもらいたいが、介護をしている最中の人にもよんでもらいたいな、と思った。

この著者であるドーサ医師。すごくいい人なんだ。


ただ、アメリカの公的保険制度というのは、日本ほど充実しておらず、調べたところによると65歳以上には「メディケア」というものがあるそうだが、リハビリなどを受けている当初100日間(スキルド・ナーシングホームに入所している場合)は保障するものの、長期の介護に関しては保障外なのだそうだ。

そうなると長期でこういうナーシングホームでお世話になれる人というのは、それなりに貯蓄がある人。富裕層であるということが考えられる。

なので、日本と事情が異なる点は多々あるのかもしれないが、しかし、介護する人される人の悩みというのは、万国共通なのだ。

延命治療をするのかしないのか、という点で悩むのもそっくり。

先進国で医療を受けるというのは、どこも同じ選択で頭を悩ます結果となるんだということがよくわかる。

いずこも同じというべきか。



猫の可愛さもさることながら、なかなか考えさせられた本でもあった。





fuji.JPG
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昨日の飛行機のなかから、綺麗な夕日と富士山が見えました。そろそろ羽田に到着するという辺りです。

「いいことがあるといいな~」なんて思いながら撮りました^^;


おしまい。




追記…またもすっかり忘れていました。このブログは2005年3月1日に始めたものでした。ということはもう5年? 何とか続いていますね~^^; これもひとえにいらっしゃってくださる皆様のお陰。いつも自己満足にお付き合いいただき、ありがとうございます。あ~、自筆で書こうかなあなんて思っていたんでした~。タイミングを逸してしまった(笑)
たぶん、まだまだ続けます。「継続は力なり」。続けてナンボ、と思っているので、はい。それにここは、相変わらず私の「社会の窓」だと思っていますよ~。引きこもり主婦は変わりそうもないですね~^^;
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これは面白い [本の感想]

もう3月ですね。ひとりでビックリしています。時間が過ぎるのがものすごく早い。そして、いまの1秒はもしかして以前の0.8秒くらいなんじゃないの? と変な妄想を抱いていまして。すると一日24時間というのは以前の19.2時間くらいで、4.8時間も損しているのか? ……なんて……無駄な妄想です(笑) いやいや、以前の0.95秒くらいですね、きっと(ウソ)。



さて、大河ドラマの「龍馬伝」。相変わらず視聴していますが、こんな本を読んでしまいました。

龍馬の黒幕 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン (祥伝社文庫)

龍馬の黒幕 明治維新と英国諜報部、そしてフリーメーソン (祥伝社文庫)

  • 作者: 加治 将一
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2009/06/12
  • メディア: 文庫

もともと「フリーメーソン」と聞いただけでも、飛びついてしまうのだけれど、これが龍馬ときたら読まないわけには行かないだろうと手を出してしまった代物です。

きっと、いわゆる「とんでも本」の部類に入るのだろうが、これが面白い!

「明治維新が起きた裏側ではフリーメーソンが暗躍していた」ということを前提にして、その周辺のことをさまざまな文献を用いて読み解いていくのですが、これがいちいち「なるほど」と思わせるほど説得力があって、実に面白いのです。

長崎のグラバーさん。これを読むとかなりのご活躍^^;

以前、グラバー園に行ったとき、グラバーさんはフリーメーソンだったという記述を見つけて、「おおっ!」とひとりで色めき立ったことがあったけれど、「ここに繋がるのか~」とニヤニヤしながらこの本を読み進めてしまいました。

それでです。坂本龍馬は新撰組に殺されたというのが定説になっているが、どうにもこうにもおかしなことが多すぎると、この著者は考えました。

龍馬の身近にいた人々の動きがあまりにおかしいと。

人が襲われたのなら、普通はこうするだろうと思うようなことをしていないし、周りもそれに気づいていないようなのだと。

さらには龍馬が殺されたときのことが文献としてもあまり残っておらず、証言をする人が出てきたとしても、殺されてから何年も経ってようやく口を開くという有様で、あまりに不自然すぎると言うのです。

じゃあ、誰が何のために、どうやって龍馬を殺したのか。

これを読んでいる限りでは、龍馬は人を殺めてまで革命を起こすことは考えていなかった人物のよう。この著者はそうした龍馬の性格をも念頭に置いています。そしてそうした性格の男で、さらにフリーメーソンとの関わりを考えていくと……。

龍馬の暗殺犯が浮かび上がってくる、というあんばい。

お好きな方はぜひ読んでみてください。面白いです^^


私自身は歴史ものというのがあまり好きではなく、「歴史は繰り返される」という言葉がまず嫌いで、歴史のなかになにかを見出そうとする行為が不思議なことでしかたがないのでありました。

結局、長い流れで見ることがあまり得意ではありません。一方、こうした歴史上の出来事をピンポイントで考えるのが面白いと思う性質のようで、「こんなことがあったのか~」といまさらながら感動をしているところです。

学生時代の日本史、世界史の授業は苦痛で苦痛で、「何時代は何年?」なんていう質問は、私にはしないでくれ~と叫びたいほど苦手であります。なので、いまも「何時代が何年?」というのがあまりわからず、「いい大人なのに」と言われる始末……。

しかし、いままで興味のなかった歴史ものに、いまになって改めて感動できるおめでたさでありますよ~。





さて余談ですが、フリーメーソンの話がお好きな人の中には、鳩ポッポさんが「友愛」と言い出したとき、「むむ、それはフリーメーソン?」と思った人は少なからずいたはず。

私がそうでした^^;

面白すぎです。







ところで、現在我が家には姉のお犬様が滞在中です。

つい最近まで手術・入院をしていた病み上がりのNちゃんなのですが、あいにく退院後すぐに姉が出張となったため、いつもNちゃんを頼む友人にお願いするのは忍びなく(何かあっては申し訳ないと)、だったら妹のところへ頼もうということになり、我が家にやってきたのでありました。
N.JPG
なんか、おっさんぽい顔をしている(笑)

久しぶりに動物が家にいるというのは、いいもんだなあ~と思っているところです。

やっぱり動物を飼うことには意味があると。

しかし姉の家には猫もいるので、猫の世話にもせっせと通わねばならず、結構忙しいです。そしてちょっと楽しい^^

また何となく、いろいろなことを考えてしまいますね~あはは~。


おしまい。
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やっぱり漫画。 [本の感想]

スノーボードの国母選手の問題は賛否両論…よくわかりました^^;

私自身がもしオリンピック選手になったとして、じゃあ制服をどう着るかといったら、きちっと着たと思います。そういう環境に生まれ育っていますから。したたかに育っているんですよ~。こずるい^^;

母子家庭だから…ということもあったんですが、「母親しかいない家庭の子だからだめなのね」と言われることに非常に恐怖を覚えていまして、見た目もせめて真面目な印象を作らねば、という使命感がありました。

ただ、やっぱり制服は着くずしたいという気持ちは強くありましたねえ~。高校時代はスカートを長くしたり、カバンをつぶしたりしましたよ~。ただ成績はよくしないとねえ~と思って、勉強はしたかな(笑)

スポーツは運動音痴とまではいかないけれど、100メートル走ではクラスで3位というタイプで、活躍しているようでしていない目立たない人でした。なので、大会に選ばれるようなスポーツをしたこともないし、機会がなかったのも残念ですけれど。

国母選手に思いを馳せれば、「制服をきちっと着なければいけませんよ」という大人が周りにいなかったのだろうと思いますし、きちっと着なければ非難されるような環境に生まれ育っていなかったんだと思います。

今回のことで、叱られたのは、意外と目からウロコだったかもしれませんね。そういう風に想像できます。たぶん、そんな叱られ方はされてこなかったでしょうから。

インタビューで一言答えるたびに、コーチの顔をチラチラと窺うところなんて、なんて小心者なんだろうと思いました。きっと初めてのことだったんでしょう。とりあえず叱られてよかったんじゃない?

でもそれだけのこと。どうでもいいことなんだと思います。

それを取り上げるマスコミや、それにやんやと乗っかって攻撃するのはいかがでしょうか…。
そっちのほうが問題なんですよ。それがとにかく嫌。バッカじゃなかろかって思っています。

なので、私も書かなきゃよかったなあと反省しています。だって本当にどうでもいい問題なんですもん。

はっきりいって、どんな格好であれ、勝ってくれればよし! 

とくにオリンピックはそう。

ドーピングなんていうのはもってのほかだけど、4年間の努力が結実して勝てたのならばそれでよし!

だから、どの選手にも頑張って欲しいと思います。4年に一回だものねえ。


…まあ、私は思いっきり甘い大人なんでしょうね。実は、国母選手の問題の格好を初めて見たとき、上手に着くずしているなあって思っちゃっていました(あっはっは~)。できないです、あんなくずし方。本人は「してやったり」くらいに思っていたでしょうね。意外とよかったのになあ。残念だったねえ。制服っていうのは、ダサいものなんだからさ、しょうがないよね。

…追記ですが、ちなみに「ちっ、うっせーな」と言ったという国母選手の会見も、謝罪会見も、写真でしか見ていないので、さっぱりわかりません。聞いた人は非常に不快に感じたようですね。どうやらそっちのほうが問題視…されているみたいで。わかんないんですけど。ネットで検索してみたらそういうのばかりでした。
ふ~んと思っただけで、やっぱり私自身はあまり興味がないことに気づきましたよ。なんだかとにかく可哀相だなと思っています。
たぶん皆彼のことが嫌いなんだろうと感じました。不快に思ったというのがぴったりなんでしょうね。
不快に思う理由というのもほとんど皆同じでしたし、なるほど…と思っております。
でも橋本聖子さんと国母選手の写真は親子みたいでしたね。それは面白かった。橋本聖子さん、年取ったなあ。





さて、仕事もボチボチとしているのですが、読むものといえば、相変わらず漫画。どうしたことでしょう…。本がいまだに読めません^^;

くるねこ 5

くるねこ 5

  • 作者: くるねこ大和
  • 出版社/メーカー: エンターブレイン
  • 発売日: 2010/02/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



やつがれと甘夏―絵本漫画

やつがれと甘夏―絵本漫画

  • 作者: くるねこ大和
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
  • 発売日: 2010/01/31
  • メディア: 単行本


くるねこ大和さんが描く猫漫画は、可愛いということもあるが、ホロリとくるのがなんともいえず、くるねこさんのブログも読み続けているけれど、本も買って読み続けている。

猫が本当に好きな人なんだよなあ。

で、毎度のごとく出てくる猫医者の先生のキャラクターもすばらしい。

ご本人がインタビューに答えている記事を読んだけれど、「猫専門の病院があってもいいじゃないか」と…。動物病院は犬が大きな顔をして、猫は端のほうに小さくなっていることが多く、それが気に食わん…って感じだったと思うが、それで猫の病院を開いたそう。
エムズキャットクリニック→http://www.qlife.jp/pet/hospital_detail_9008489_1

うちの近くにあったら、猫のD君を連れて行ったのになあ、、、。くるねこ大和さんのところのもんさんのように治ったかも…。なんて。

いやいや、D君を診てくれた先生もいい先生でした。


それから…また伊藤理佐さんかい、の漫画。

おいピータン!! 12 (ワイドKC キス)

おいピータン!! 12 (ワイドKC キス)

  • 作者: 伊藤 理佐
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/02/12
  • メディア: コミック



おいクロタン!! 1 (ワイドKC キス)

おいクロタン!! 1 (ワイドKC キス)

  • 作者: 伊藤 理佐
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/02/12
  • メディア: コミック


「おいピータン!! 12」と、「おいクロタン!! 1」。

おいピータン!! は、いつものとおりに「それそれっ」と思うようなところがあって、大森さんも相変わらずいい味だしているし。。。「これでいいや」と思う、身の丈に合ったものを選択するその感覚は、同感できるものなんだよな~と思った。

産休中の伊藤理佐さん。復帰後はどんな漫画を描いてくれるのでしょうか。ちょっと楽しみ。

おいクロタン!! は、やっぱり猫の可愛らしさがよく見て取れるので、和む漫画でした。



…猫濃度、さらに低下中…(笑)



早く春にならないかなあ。



おしまい。
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男前って。 [本の感想]

本が読めない読めないと言いつつ、こんな本を読んだ。

少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話 (文春文庫)

少年とアフリカ 音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話 (文春文庫)

  • 作者: 坂本 龍一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/04/07
  • メディア: 文庫

坂本龍一氏と天童荒太氏の対談だ。取り上げている話はちょっと古くなるが、いまでも色あせないし、2人の物の考え方、スタンスがしっかりと見えてくる。

アメリカの9・11前に対談したものと、9・11後に対談したものが収録されているのだが、天童氏の揺るぎない信念と、一方の坂本氏の変化を素直に認める柔軟さがなんともいえない。

いい大人なのだ。

そもそもこの2人の出会いは天童氏の「永遠の仔」のドラマ化で、その主題歌を坂本氏が作ったことによる。

当たり前だが、坂本氏はちゃんと「永遠の仔」を読んで、その登場人物と起こる出来事に思いを馳せながら音楽を作ったという。そしてその物語を受け止め、自分が考えたことを天童氏にぶつけていくような形なのだが、あっちこっちに話がそれながらも、なかなかうまく噛み合っていく。

その噛み合っていく様子を読んでいると、人が考えることの方向性っていうのは、最終的には意外にも同じになっていくのではないかなと思った。

当初、坂本氏は「自分の息子が殺されたら、加害者を殺しに行く」という考えを持っていた。「復讐してから悩む」と。それが親というものなのではないか。人間はそうでなくてはいけないんじゃないか、という考えの下でだ。

しかし天童氏は、「いざ、殺そうとしたときに、単純にその相手の命ということだけではない、家族は周囲の人間に影響を及ぼす<いのち>、連綿と続くはずだった<いのち>というものを奪われてしまうことの痛みを知りすぎているがゆえに、踏み込めなくなることもあると思う」と言う。

要するに、簡単に復讐をするということは考えられないと言っているのだ。それだけ痛みというのは深く、<いのち>というものを考えてしまうだろうということ。

そういう天童氏の考えを聞いて、坂本氏はあれこれと考えていくのだが……。

9・11後の対談で坂本氏は「…やはり『やられたらやり返せ』というのはだめなんだね。『やられたくないから、私もやらない』というしかないんですよ。僕はそう思う。それ以外にない。『自分は正しいからやる』じゃ困るわけです。…」と発言をする。

(ちょっと前後を読んでいただかなければ誤解を生じる可能性もあるので、読んでもらうのが一番いいと思うのだけど)

とりあえずいろいろと考えた結果、やられたらやり返すと「復讐」を選択していた坂本氏の考えが変わっていたのだった。

その変化を素直に白状し、どうしてこういう考えに至ったかを坂本氏は語っている。

これを読んで、「坂本龍一ってば男前!」と私は思った。素直に自分の変化を認めるし、想像力を駆使しているし(本人は「妄想」と言っているけど)、理解しようという柔軟性もある。そして勇気。……おっとこ前だわ~。

一方の天童氏も男前で、全然信念が揺るがない。一本の強い柱が体の中を通っている。

それを保つ努力というのも惜しまないんだろうと想像できる。だから男前。たぶん、この人も坂本氏と同じように、考えに変化があったら素直に認める人だと思う。それだけ物を深く考えているのがわかるから。考えれば考えるほど、その結果如何で人というのは素直になるんじゃないかな~。柔軟なほうへ振れていくと私は思うのだ。


そんなことをぼーっと考えた。

で、「男前」。

男前って何? と。

容姿に対して男前というのはよく言っていることなのだが、こういう容姿以外で男前って言い方はうまく当てはまるのかどうか。

でも、容姿の男前もいいけれど、中身の男前っていうのはあると思うのだ。

そこで考えた私の男前の定義^^;

想像力があり、選択眼もあり、決断力、そして勇気がある人。(プラス柔軟性)

それが男前な人。

あと付随して責任感もだなあ。

もちろん女性にも通じると思っている。


いや、なかなかハードルが高いように感じるけれど、中身が男前だなと思った人には、これらが備わっているように思うのだ。




少々話がずれるが、最近のTV報道で憤っていることがある。

それは「犯罪者の匿名報道」。

あれって何?

被害者については、あれやこれやと憶測でひどい言い方をするときがあるのに、加害者を匿名にするって何だかわからない。

今回、千葉の女子大生殺人事件で別件で立件されたからって、ようやく実名報道に変わった事件があるけれど、それまでは亡くなった女子大生はキャバクラで働いていただの、男をもてあそぶような子だっただの、まるで被害者に非があるような報道があったように思う。

それなのに、容疑者は逮捕されても、匿名って…。もともと他でも罪を犯した人とわかっているのに何で匿名? 実名で報道したらどうなの? と思った。

なんだろう…この酷さ。

婚活サギ女もそう。ネットでサギを働くという罪を犯しているのは明らか。でも何でTVでは実名報道しないんだろう。

殺されてしまった男性は、ブログに書いた内容も公開され、顔写真も名前も報道されているのに。まるで、「あ~、こんな男だからサギにひっかかるんだろう」と言われんばかりの報道だ。

後に、「こんな男は気をつけよう」なんて、週刊誌で特集を組まれるほどだ。哀れすぎる。

殺人が立件できていないからって実名報道をせずに、被害者保護もできないTV報道の腰砕け加減にいや~な気持ちになっている。

全然男前じゃないよね。

ま、要するにTVの取材力が落ちている。ろくな記者がいないってことなんだろうけど。
犯罪の抑止力にもなんないじゃんってさ(笑)




てなわけで、一冊の本から「男前」をめぐり、いろいろ考えてみた…の巻でした。


おしまい。

※ちなみに、実名はネットでも流れているし、週刊誌は堂々と報道しているので知っております、はい。
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最近読んだ本…ダメ人間 [本の感想]

昨日の朝、義母から電話がかかってきた。何かと思えばこんな調子で話し出す。

「D君が出てきたんだけど…」

「は?」

「D君が出てきて、気になってしょうがないんだけど、D君の骨は埋めたの?」

「いえ、まだですけど…。四十九日も過ぎてないし」

「あ、そうか、そうよね。で、新しい猫を迎えるの?」

「いえ、まだ考えてないです」

「何でD君が出てきたのかしら…。気になるんだけど…。骨がまだあるんだったら拝みに行きたいんだけど」

「え? すみません。今日は仕事をしていたいんで」

「あ、そう。私は今日は何もなくて暇でね…○▲■×:;…」

とまあ、うにゃらむにゃらと電話をかけてきて、しゃべって、気が済んだのか電話が切れたのだった。

想像するに、義母の夢に猫のD君が出てきたらしい。そして話をよくよく聞いていると、前日にとあるデパートのペットショップで猫を見ていたらしく、それが記憶に残って夢を見てしまったらしいのだった。

要するに、D君が夢に出てきたことには意味はなく、自分(義母)が寂しい気持ちになっているということを訴えたかっただけだったのだ。

だからといって私が義母を慰める術もなく、むしろ私のほうが寂しい思いをしているんだけど…と言ったところで通じない義母なので、黙っているしかない。

そしていい加減に私が対応をして電話を切りたがっているのを感じると、また夫T君にかけた保険の話を持ち出してくるのだった…。

息子を思って保険をかけてくれたのはありがたいことだけれど、いつもいつも恩着せがましく言うのはいかがなものだろうと。

しかし、それしかない義母も哀れだなと思ってしまう。



*    *    *    *    *

さて、この前の土曜日。ゴルフに行ってヘトヘトに疲れたと思ったら、翌日の日曜日。あまりの頭痛で目が覚め、そうこうしているうちに吐いちゃったりして、散々な日曜日となった。

そんな散々な残念な日曜日だったのだけれど、横になりながら読んだ本がこれ。

ダメ人間 ~溜め息ばかりの青春記 (ダ・ヴィンチブックス)

ダメ人間 ~溜め息ばかりの青春記 (ダ・ヴィンチブックス)

  • 作者: 鈴井貴之
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/09/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

いま、飛ぶ鳥を落とす勢いで大躍進の、北海道の芸能プロダクション(?)office cueの社長である鈴井貴之氏が書いた自伝。

本人は私小説と言っているが、ほぼエッセイに近いと思う。

浪人生時代から、仕事が少しずつ入ってくるまでのおよそ10年間の話(12~3年かな)。

タイトルどおり、そのダメっぷりは読んでいてひしひしと伝わってくるし、「何やってんだよ、鈴井貴之!」と言いたくなるくらいひどい^^;

思いばかりが先行して、実行されない。プロになることのなんたるかを全然理解せずに突っ走って、そして失敗を繰り返す。若さゆえの過ちといってしまえばそれまでだが、どうしようもない。

しかしその過ちがあったから、いま見る鈴井貴之氏の厳しく取り組む姿というのがあるんだなと、理解できる。

「水曜どうでしょう」を見ていると、ところどころで妥協を許さないミスター(鈴井貴之氏)を見られるけれど、それは、若い頃の失敗が糧になっているということがわかった。

そして、その若くてどうしようもないダメ人間を救う人物が何人か出てくるが、最後に妻となったいまの副社長の「逃げちゃダメ」と言うのが実によくって、本当にこの人は後に妻となる副社長に救われたんだ。

頭が上らないね~。

えーと、本としては面白くはない(笑) 別に読まなくていい。面白くないから。あっという間に読めるから。

ただ、office cueのファンであったり、鈴井貴之…ミスターのファンであるなら、読んでもいいだろうな。



もひとつ。

病気は心のメッセージ

病気は心のメッセージ

  • 作者: 川嶋 朗
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2008/07/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

お医者様が書いた本だけれど、スピリチュアル。感謝の気持ちが大切なんだそうだ。

人に感謝の気持ちで接し、穏やかでいれば病気が治ったり、症状を緩和させたりする…そういう場面を目の当たりにしている医師のお話。

そういえば、欲求不満を残して、文句ばかり言っている人の病気というのは重く、辛いものだと何かで読んだ気がする。

ガンの末期患者の痛みは、文句を言う人ほどひどいらしい、と。

それはそうだろうなと思う。

それから、「冷え」は万病の元。とにかく冷やしてはいけないとこの人は説いている。

腿を暖めるといいらしいっす。それから腰(お尻の少し上)。

シャワーではなく、ちゃんと湯船に入って温まりましょう、と言っている。

はいはい。

どうも薄着が好きな私は、いまも短パンで家の中をうろうろしているし、体を冷やしまくっている。冷たい飲み物も好きだしなあ…^^;

自分の病気のことを考えれば、やっぱり冷えは禁物だし、いつも行っている病院の先生にも「冷やしちゃダメ」と言われていたのだった。

……長ズボンを履くか…。


素直に応じてしまいたくなる本だった。



おしまい。
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9月の読書 [本の感想]

D君の闘病中、何も手がつかず。

これほどまで人間の無力さを感じない日々はなかったです。

病気のD君を目の前にして、何もできない。ただ撫でてあげたり、声をかけてあげたり…。だけど、それもうっとうしそうな感じのD君…無力だわ~。

とりあえず寄り添っていようと、そういう風に過ごしていましたが、、、。


そんなわけで、D君の闘病中はそーっと本を読んでいました。




しかし、これはこんなときに読む本じゃあないだろう…という本であります、はい…^^;

無差別殺人の精神分析 (新潮選書)

無差別殺人の精神分析 (新潮選書)

  • 作者: 片田 珠美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/05
  • メディア: 単行本


精神科医である片田珠美氏が、「秋葉原無差別殺傷事件」をはじめとした無差別殺人を起こした犯人の心を分析した本。

よくぞ、こんな難しいことに手をつけたものだ、と思った。何というか、最終的には犯人をどうこうしようと思っても、どうにもならないという無力さを覚えるからだ。

アメリカの犯罪学者、レヴォンとフォックスという人が「大量殺人の心理・社会的分析」の中で大量殺人を引き起こす要因を挙げているものがあるというのだが、それによると。。。
(A)素因
①長期間にわたる欲求不満
②他責的傾向
(B)促進要因
③破滅的な喪失
④外部のきっかけ
(C)容易にする要因
⑤社会的、心理的な孤立
⑥大量破壊のための武器の入手
これら6つが出揃うと、どかーんと犯罪を犯す可能性が高くなるということだ。

なかでも「他責的」であるというのは、誰にでも起こり得ることだから、無視することはできないと思った。

要するに、自分で責任を持てない…持ちたくない…、何でも人のせいにする。

モンスターペアレンツが増えているというのも、他責的であることが要因だと思われるので、そういう傾向が高まっていると思わざるを得ない。家庭の影響は無視できないということだ。家庭環境や教育、躾という側面はかなりの影響を与えているといえるんだろう。

まあ、私があーだこーだと言ってもしょうがないので、この本を読んでいただければいいと思う。

子を持つ親の必読本(?)

ちなみに最後に、「わが子を殺戮者にしないためにやってはいけない十か条」というものが書かれている。「過度の期待」とか、「母子密着」とか、「過保護・過干渉」とかとか…。

あとは、自分が描いている自分と、実際の自分というギャップを上手に埋められるようになれば、問題は少なくなるんだろうな…と思った。

お年寄りが短気になったり、怒りっぽくなるというのも、そのギャップをうまく埋められないところからきているんだろうなと思うし。。。頭がうまく働かない、体が動かないというのをちゃんと受け入れなくてはいけないということなんだろうね。

…むむ…なんだか話がそれましたが…^^;



それからこんな本も読んだ。

「夫婦」という幻想-なぜ、結局いがみあってしまうのか (祥伝社新書172)

「夫婦」という幻想-なぜ、結局いがみあってしまうのか (祥伝社新書172)

  • 作者: 斎藤 学
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2009/08/26
  • メディア: 新書


これは「鈍感な男たちへの警告本」という感じかなあ(笑)

筆者は斉藤学氏という、ずっと機能不全の家族についての問題に取り組んでいる人なので、人間関係の観察はなかなかなものではあると思う。おそらく、カウンセリングなど臨床をしているから、机上の思考とは違う部分があるんだろう。

本の内容はというと、夫と妻の思いのズレや、なんでうまくいかないのか…をかなりかみ砕いて書いている。

思うに、男性が書いた男性のための警告本になっているから、男性も抵抗なく読めるのではないかなと思うのだけれど…読まないだろうなあ^^;

男の人ってこの手の本は読まないんだよね~。絶対「うちは関係ない」と思うだろうからなあ。

ある意味でおめでたいんだ。

比較的、若い男性は読むかもしれないけれど…。うちの夫T君は「何を言っているんだ」と一蹴するタイプですわ~きっと。

「社会が変わらないと男は変わらない」と私は思っていますんで、そうそう簡単には変わらないだろうなあというのが実感。「男が変わらないと社会が変わらない」ともいえるんで、これまた悪しきスパイラルな感じでもあります。




そして、こんな本ばかり読んでいては精神衛生上よくないと思って、手に取ったのは片桐はいりさんの「グアテマラの弟」でした。再読。

グアテマラの弟

グアテマラの弟

  • 作者: 片桐 はいり
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 単行本


パラパラとめくって、D君の様子を眺めながら読んでいました。

これがなんだか、心を落ち着かせるにはよい本だったんです。

何でだろうな~。

う~ん、大仰に言ってしまえば「生きていることの奇跡」を感じるからかと思ったり。

地球の反対側で生きて暮らす家族がいるっていう不思議があるからかなあ。

文章がよい、というのが前提にありますね。





さて、昨日はこんな本を手に入れました。
夏への扉[新訳版]

夏への扉[新訳版]

  • 作者: ロバート・A・ハインライン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/08/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


新訳本が出たというのを知って、早速買いました。

猫好きの人にはぜひとも読んで欲しい名作です。

まずはこれを読んでいましたが、、、。

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

  • 作者: ロバート・A・ハインライン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1979/05
  • メディア: 文庫


ピートという名の猫が出てくるんですよね。

とっても愛らしい名前なので、これを読んだときは「猫を飼うことになったらピートと名づけよう」なんてT君と話をしていたんです。

でも結局、D君が来たとき、「ピートって感じじゃあないなあ」ということで、「ダンテ(D君)」と名づけたのでした。

アメリカンな猫ではなかったので^^; ダンテさんもノルウェーの人ではないけれど…何となくのイメージ。

獣医さんには「ダンさ~ん、ダンさ~ん」と呼ばれていて、どこぞの若旦那かと笑っていたんですけどね。

山下達郎さんも「夏への扉」というタイトルの曲を作っているんで、これも必聴であります。






ああ、なんとメリハリのない文章なんだろうかあ…。

だらだらと失礼いたしました。





そうそう、そして今日は久しぶりのクレイジーケンバンドのライヴに行きます。D君の闘病中、一つのライヴは諦めて友人に行ってもらったのですが、今日のライヴは行けることになってしまって…。

多少、これで心のリハビリをば…。


おしまい。
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お盆休みに読んだ本 [本の感想]

さすがにお盆休み。頭はゆるりとさせていたい。

そんなわけで、本屋さんに行って選んだ本を2冊買って、お盆休みに読んだ。

小林聡美さんのエッセイ。

アロハ魂

アロハ魂

  • 作者: 小林 聡美
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/08
  • メディア: 単行本


JALの機内紙向けに書いた、ハワイ島の滞在記のようなもの。

私もハワイでは、ハワイ島が一番好きだ。そして小林聡美さんのエッセイも好きなので、何も悩むずに手に取った本である。

滞在記の2/3ほどはハワイ島のヒロ(島の東側)に滞在中のこと。残りの1/3はコナ(島の西側)に滞在した話になる。

登場人物は日本から同行しているスタッフたちで、それぞれのキャラクターがうまく言い表されている。

さらに現地のガイドさんのクミコさんの話しっぷりが、根っから日本人ではあるらしいのに、いかにもハワイ在住の日系人のような話し方なのだ。それを小林聡美さんが気づいて、クミコさんの言葉をかぎカッコで書くのだが、何となくニュアンスが伝わってくるその書き方がクミコさんの雰囲気を上手に表わしていて、微笑ましく読めた。

小林聡美さんのエッセイの特徴は、やや自虐的な話になること。自分の欠点を素直に表現するし、同行者の変なところはうまい言い回しで表現する。その視点が自虐的になりつつも、素直でユーモア満点なので、イヤミなく読めるのだ。

地に足がついているというのかなあ。

浮かれていない。浮かれたとしても、自分で浮かれていると自覚して書いているから、それが共感できるもとなのかもしれない。

ヒロでは、日系人が経営しているというMOCHI・MANJUというお店で大福を食べるというシーンがあるのだが、ここの工場で働く人々との出会いがすごくステキだった。
(MOCHI・MANJUのロゴに、「TWO・LADIES KITCHEN」とあるので、本当は日系人のお店ではなく、チャイニーズの人々が開いたお店かもしれないな……)。

また、おしゃれなアロハシャツを売っているお店(おそらく「シグゼーン」)で、皆が困っている様子も…^^;

これを読んでいたら、またハワイ島に行きたくなっちゃった。

小林聡美節のお好きな方にはオススメのエッセイです。ま~以前よりパワーが薄れた気はするけれど…歳のせいかな(笑)



次は伊藤理佐さん。

女のはしょり道

女のはしょり道

  • 作者: 伊藤 理佐
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: コミック


マンガですが…エッセイ・マンガですね。

コスメを中心にした女性誌に連載していたものだと思う。いやいや^^; 私自身はお化粧に全く興味がないので、美容雑誌(?)というものを一度たりとも買ったことがない。なので、本来なら手にするはずはないのだが、伊藤理佐さんということ。それから「女のはしょり道」というタイトルが…うまい! と思って買ったのだった。

「どうしたら手間を省いて美しくいられるか?」というのがテーマなんだと思う。

で、手間を省くことを「はしょる」と言い方をして、いかにはしょってお肌のケアをするかと、身を持って体験したことをマンガにしている。

アレルギー体質なのに、懲りずに自分で化粧水を作ってひどい目に遭うとか、馬油を顔にたっぷり塗ってしまって、翌日にきび面になってしまうとか…。

これも自虐的な部分が満載だなあ(笑)

だけど、やっぱりお化粧というのは面倒くさいし、はしょりたいという気持ちが出てくるもんなんだなと…いずこも同じというか…私は化粧水(ときどきクリーム)だけの女なので、別にどうでもいいんだけど、それでも面白く読めた。




女性の書くエッセイというのを、ときどきこうやって読むが、上記の彼女らのようなエッセイが私は好きだ。

やや自虐的。自分の欠点、変なところを素直に言い表す。それにイヤミがない。そこが好きになるポイントかなと思う。



そしてときどき週刊文春に連載されている林●理子さんのエッセイを読んでしまうのだが(普段はスルーして読まないんだけど^^;)、彼女の自慢話にはいっつもうんざりとさせられ、何も得られない。加えて、何となく説教くさいところがいや。何かね…何でも自分は正しいらしいですよ(笑) そんな風に受け取れてしまう書き方が嫌いなんだなあ。

山田●美さんもそんなところがあるかな。以前は「熱血ポンちゃん」を楽しく読んだけど(彼女の遊び方とかが面白かった)、どうもやっぱり説教くささを感じてしまって、読まなくなってしまった。

もしかして女性の小説家のエッセイっていうのは、そういうものなのか?


う~ん。



佐藤愛子姐御に説教されるのはいいんだけどなあ。



あとね、中村うさぎさんと、斎藤美奈子さんの書くものは好きです。ばっさりと分析して論破してくれるところが痛快。


おしまい。
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天童さん、完読? [本の感想]

もうすっかり日食の話題は遠くに行ってしまったようで…。今ごろ何を、、、ですね(笑)

うちのあたりは切れ間もない曇天で、全く太陽を拝めませんでした。なんとなく薄暗くなったような…くらいで。しかし基本的にはあんまり興味がなかったもんでね(えへへ)。

人が騒げば騒ぐほど、しゅしゅしゅ~と萎えていくタイプなのでありますよ。
どっちしても天気予報を見れば見られないというのはわかっていたし。

てなわけで、トカラ列島は悪石島や、中国は上海に行かれた方はお疲れ様でした。天気がすこぶる悪かったみたいですね。

次回はイースター島ですよ。 …どうやって行くんだ?

とはいえ、とりあえず、TVで皆既日食の様子が見られるというので、NHKをつけたでございます。

そうしたら、さすがはNHK。ハイビジョンカメラで美しい。そして、設営した場所も「硫黄島」で天気はよろしいし、皆既日食の時間は長いしで、いうことなしの中継でした。

そして私が引きこまれたのはこれ。
090722_1126~01.jpg
コロナ、スゲー!!!
完全に太陽が隠れてしまうというそれよりも、太陽のコロナがスゲーと一人で感心しておりました。

皆既日食での観測は、太陽の活動を調べるのに最適なんだそうで、NHKさんは頑張っておられました。そうそう、こういうのに頑張らなくては、受信料を返せと言いたくなりますわよね。


あはは、前置きばかりが長くて失礼。

本の感想です。

いつの間にやら天童荒太氏の小説を完読いたしました、たぶん。
まずはこれ。

あふれた愛 (集英社文庫)

あふれた愛 (集英社文庫)

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/05/20
  • メディア: 文庫


これは短編集なのだが、さまざまな人との関わりを大事に表現していて、悲しいけれど、何となく心が温かくなるお話だった。

こうね、精神的に追い詰められていってしまうんですよね、あるとき、あることをきっかけとして。そんなことくらいで精神の病に冒されていくのか? と思う人もいるでしょうが、簡単に追い詰められてしまうそんな人間の脆さが描かれている。だけど、それだけではなくて、手を差し伸べてくれる何かがあるということを気づかせてくれるような、そんな話だと思った。

4編からなる短編集。1編、1編かみしめながら読んだ感じ。



孤独の歌声 (新潮文庫)

孤独の歌声 (新潮文庫)

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/02
  • メディア: 文庫

これは「天童荒太」名義のデビュー作にあたるようですが、もうここから大物っぷりがはっきりとわかるストーリー展開で、あっという間に読み終えた。

「家族狩り」と同じようなテーマに思う。登場人物も場面も違うし、文章がややあらけずりな感じがあるのだが、すでに天童節が出来上がっている。

おそらく天童氏の言いたいことは、「人は誰もが孤独であるということ。それを自覚すべきで、その上で人との交わりを持つべし」といったところだと思う。「そうすれば人は優しくなれるし、人を思いやることができる」と、そんなことを言っているような気がした。

話は「人間は孤独ではない」と信じている誘拐犯がいて、孤独ではないことを証明するために誘拐を続けていうような感じなのだけど、それがかなり猟奇的に描かれている。そしてその誘拐犯を捕まえるために、女性の刑事が立ち向かうのだが、その女性も幼き頃のつらい思い出を心に抱いていて、感情的にもなるのだけれど、傷つきながらも誘拐犯を捕まえるまでにそれを克服していく様を読むことができる。

それから、「併せて人は鋭い感覚を持ち合わせているものだ」ということも描かれている。それは些細なことなのだけど、「あ、そうそう」と共感できる、うまい書き方をしている。

ミステリーという分野になるようだが、やっぱり考えさせられる話だと思った。





もう一つ、「家族狩り」のオリジナル版も買ってナナメ読みした。

文庫版と違うところはと思って読んだけれど、そう変わりはないように思う。基本は同じ。

天童氏は作品を文庫化するにあたっては、大幅に加筆するようだけれど、基本は同じなので受ける印象も同じ。つまりは作家の自己満足のために行われていることかもしれないと思う。あるいはサービス精神。いい人なんだろうなあ。




さて、次は何を読もうかなあ。


おしまい。
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