最近読んだ本 [本の感想]
ようやくTVも秋のドラマ放映を始めてくれて、ほっと一息…て、私は全然関係はないけれど。
季節の変わり目のTVの特別番組地獄というのを、いい加減にやめて欲しいと思うのだが、容赦しないねえ~(笑) いつまで経っても変わらない。むしろ拍車がかかっている。
しかも、衝撃映像とか、おもしろ映像とか、一般人が撮った映像だったり、以前報道されていた映像だったりを編集しなおして、そしてとりあえずタレントを添えておけばいいじゃん、というような番組作りというのはいかがなものだろうかと思う。
だいたい衝撃映像ってあんまり好きではないんだよね~。趣味の問題でもありますが…。
さて、体調が悪くなってからというもの、本が読めないでいた。いや、読んではいたけど、あんまり頭に入っていなかったり、ものすごーく時間がかかったりしていた。
そんなわけでリハビリ的な意味で選んだ本はこれ。
片桐はいりさんのエッセイ。
片桐はいりさんは、言葉の選び方とか、表現の仕方とか、実にうまい人で、何でいままであまり書いてきていなかったのだろうと思うような逸材。
「わたしのマトカ」「グアテマラの弟」を読んで、早く次のエッセイが出ないものかと思っていた。
そしたら「もぎり」…って?
と手にとって見れば、片桐はいりさんは学生時代に映画館のもぎりのアルバイトをしていて、その頃の思い出話や、映画だけではなく、映画館への熱い思いを語っていたのだった。
1つ違いとはいえ同世代の片桐はいりさん。彼女の思い出話は、「あ、そうそう!」と思うことが多く、これをまた絶妙な言葉選びで語るものだから、にやにやしてしまった。
本の帯に樹木希林さんが、「『もぎりよ今夜も有難う』 何ていいタイトル。自分を知っている人は愉快だ。」と言葉を寄せているが、それはまさにその通り。
そんなに高くはないバイト代であろう「もぎり」だけど、でもそのもぎりのお陰で、いろんな映画を観、いろんな人と出会い、いろんな場面に遭遇する。「有難う」と言いたくなる気持ちがすごくわかる。うまいなあ~。
私が「そうそう!」と膝を打った話は、日比谷パークビルにあった「アメリカン・ファーマシー」のくだり。
「わたしは子どもの頃から、アメリカ映画の残り香をかぎたい時には決まってこの進駐軍の名残の店を訪ねていた」とある。
本当にね。アメリカン・ファーマシーは、アメリカのドラッグストアをそのまま持ってきたみたいな…そんな雰囲気のお店だった。その昔、あんまり物事がよく分かっていなかった頃は、「この店は一体なんなんだろう」と思ったものだが、いい大人になってからはアメリカンな香りをかぎたくて、近所にあった仕事のお得意さんを訪ねながら、よく寄ったものだ。
いまはなき「アメリカン・ファーマシー」…日比谷パークビル。
そして、地方に行っては懐かしい形の映画館に出合うと、必ず寄ってしまう片桐はいりさんの映画館ラヴ!な感じが微笑ましい。
昔は確かに、映画を観にいくとなれば日比谷、有楽町、銀座へ行ったもの。その前に、私は川崎で生まれたので、川崎駅近くの映画街へも行った。…いまは「シネチッタ川崎」になってしまったけれど。
それから渋谷の東急文化会館。あとは横浜の相鉄ムービル。
これらはもうみんななくなってしまったり、場所が変わったり、形態が変わったりしている。
シネコンも座席指定や入れ替え制で面倒くさくなく便利だけれど、昔ながらの映画館の、映画の途中から観始めたり…立ち見で、後ろのほうから一生懸命観たりする、そんな映画の観方が懐かしいなあと思った。…片桐はいりさんも懐かしんでいるのだ。
考えてみると、映画一本観るのに、結構気合が入っていたような気がする。いまは曖昧だなあ。
あと面白かったのが、「トム・クルーズの魅力が分からない」と言って、その魅力を分かるまでトム・クルーズの新作映画を観にいくというところ。いまだに、何本新しい映画を観てもトム・クルーズの魅力は分からないらしいです(笑)
もう1つ、まだ完読していないんだけど、村上春樹さんのインタビュー集。
ノーベル文学賞の受賞を見込んで出版したのかな、とタイミング的にも思わなくもないが、受賞までの伏線と取ってもいいかも…な本。
面白く読んでいます^^
そうだ。
以前書いたかもしれないけれど、私は村上春樹さんにばったり会っている…というか、ばったり目が合ったことがあるんだ。
たぶんそう。
だいぶ前なのだが、神保町へ本を買いに行ったときのこと。すずらん通りの横を出る出入り口を上って右に曲がったとき、ぱっと目が合った男性がいたのだ。目が合ったものの「何だか見たことのある人だなあ」と思いつつ通り過ぎ…そしてしばし考えた。
「見たことあるよなあ」
「誰かに似ているよなあ」
「誰だっけなあ…」
…………
……「あ、村上春樹にそっくり!」
と思ったのでした。
そうして家に帰ってきてから夫T君に「村上春樹にそっくりな人を神保町で見たんだけど……」と言うと、「それ、本人じゃないの?」とT君は言う。
「ええ? そうなの」と驚く私。
「うん、あの人、普通にそこら辺を歩いていたりするらしいよ」
「へえ」
いいものを見ました(笑)
私の記憶が正しけりゃ、ですが、写真のまんまでした。
入院中に読んだ本。
おしまい。
季節の変わり目のTVの特別番組地獄というのを、いい加減にやめて欲しいと思うのだが、容赦しないねえ~(笑) いつまで経っても変わらない。むしろ拍車がかかっている。
しかも、衝撃映像とか、おもしろ映像とか、一般人が撮った映像だったり、以前報道されていた映像だったりを編集しなおして、そしてとりあえずタレントを添えておけばいいじゃん、というような番組作りというのはいかがなものだろうかと思う。
だいたい衝撃映像ってあんまり好きではないんだよね~。趣味の問題でもありますが…。
さて、体調が悪くなってからというもの、本が読めないでいた。いや、読んではいたけど、あんまり頭に入っていなかったり、ものすごーく時間がかかったりしていた。
そんなわけでリハビリ的な意味で選んだ本はこれ。
片桐はいりさんのエッセイ。
片桐はいりさんは、言葉の選び方とか、表現の仕方とか、実にうまい人で、何でいままであまり書いてきていなかったのだろうと思うような逸材。
「わたしのマトカ」「グアテマラの弟」を読んで、早く次のエッセイが出ないものかと思っていた。
そしたら「もぎり」…って?
と手にとって見れば、片桐はいりさんは学生時代に映画館のもぎりのアルバイトをしていて、その頃の思い出話や、映画だけではなく、映画館への熱い思いを語っていたのだった。
1つ違いとはいえ同世代の片桐はいりさん。彼女の思い出話は、「あ、そうそう!」と思うことが多く、これをまた絶妙な言葉選びで語るものだから、にやにやしてしまった。
本の帯に樹木希林さんが、「『もぎりよ今夜も有難う』 何ていいタイトル。自分を知っている人は愉快だ。」と言葉を寄せているが、それはまさにその通り。
そんなに高くはないバイト代であろう「もぎり」だけど、でもそのもぎりのお陰で、いろんな映画を観、いろんな人と出会い、いろんな場面に遭遇する。「有難う」と言いたくなる気持ちがすごくわかる。うまいなあ~。
私が「そうそう!」と膝を打った話は、日比谷パークビルにあった「アメリカン・ファーマシー」のくだり。
「わたしは子どもの頃から、アメリカ映画の残り香をかぎたい時には決まってこの進駐軍の名残の店を訪ねていた」とある。
本当にね。アメリカン・ファーマシーは、アメリカのドラッグストアをそのまま持ってきたみたいな…そんな雰囲気のお店だった。その昔、あんまり物事がよく分かっていなかった頃は、「この店は一体なんなんだろう」と思ったものだが、いい大人になってからはアメリカンな香りをかぎたくて、近所にあった仕事のお得意さんを訪ねながら、よく寄ったものだ。
いまはなき「アメリカン・ファーマシー」…日比谷パークビル。
そして、地方に行っては懐かしい形の映画館に出合うと、必ず寄ってしまう片桐はいりさんの映画館ラヴ!な感じが微笑ましい。
昔は確かに、映画を観にいくとなれば日比谷、有楽町、銀座へ行ったもの。その前に、私は川崎で生まれたので、川崎駅近くの映画街へも行った。…いまは「シネチッタ川崎」になってしまったけれど。
それから渋谷の東急文化会館。あとは横浜の相鉄ムービル。
これらはもうみんななくなってしまったり、場所が変わったり、形態が変わったりしている。
シネコンも座席指定や入れ替え制で面倒くさくなく便利だけれど、昔ながらの映画館の、映画の途中から観始めたり…立ち見で、後ろのほうから一生懸命観たりする、そんな映画の観方が懐かしいなあと思った。…片桐はいりさんも懐かしんでいるのだ。
考えてみると、映画一本観るのに、結構気合が入っていたような気がする。いまは曖昧だなあ。
あと面白かったのが、「トム・クルーズの魅力が分からない」と言って、その魅力を分かるまでトム・クルーズの新作映画を観にいくというところ。いまだに、何本新しい映画を観てもトム・クルーズの魅力は分からないらしいです(笑)
もう1つ、まだ完読していないんだけど、村上春樹さんのインタビュー集。
ノーベル文学賞の受賞を見込んで出版したのかな、とタイミング的にも思わなくもないが、受賞までの伏線と取ってもいいかも…な本。
面白く読んでいます^^
そうだ。
以前書いたかもしれないけれど、私は村上春樹さんにばったり会っている…というか、ばったり目が合ったことがあるんだ。
たぶんそう。
だいぶ前なのだが、神保町へ本を買いに行ったときのこと。すずらん通りの横を出る出入り口を上って右に曲がったとき、ぱっと目が合った男性がいたのだ。目が合ったものの「何だか見たことのある人だなあ」と思いつつ通り過ぎ…そしてしばし考えた。
「見たことあるよなあ」
「誰かに似ているよなあ」
「誰だっけなあ…」
…………
……「あ、村上春樹にそっくり!」
と思ったのでした。
そうして家に帰ってきてから夫T君に「村上春樹にそっくりな人を神保町で見たんだけど……」と言うと、「それ、本人じゃないの?」とT君は言う。
「ええ? そうなの」と驚く私。
「うん、あの人、普通にそこら辺を歩いていたりするらしいよ」
「へえ」
いいものを見ました(笑)
私の記憶が正しけりゃ、ですが、写真のまんまでした。
入院中に読んだ本。
おしまい。
う〜ん、同世代だわっ^^;?
東急文化会館はオールナイトを見に良く行ってました。
そういえば昔は古い映画も良くやってましたよねぇ・・・
ひまわりとかフランス映画とか、ゴダール・フェリーニなんて良くわかりもせずに背伸びして見に行ったりして〜^^;
カンタンに映画が作れて配信出来ちゃう時代になっちゃったからなのでしょうか?特別な感じがなくなっちゃいましたね。
そうそう、自分もトム・クルーズの魅力はわからんのです。
旦那は結構好きみたいで、つきあいで先日も「ナイト&デイ」を見てきましたが・・・やっぱりわからん(笑)
キャメロン・ディアスは面白かった。
by nakasama (2010-10-30 15:04)
*nakasamaさま*
ねえ、同世代でしょ~^^
私もフェリーニとか、アントニオーニとか、トリュフォー、エイゼンシュテイン、
タルコフスキー……ああ、いろいろ名前が出てきます~(笑)
アホみたいに観ていました。
いまは全然観なくなってしまいましたね~。
TVでも邦画を観ることが多くなってしまったし、海外の映画をあんまり
観なくなったなあ~なんて思っています。
そうそう。トム・クルーズ人気は謎です(笑)
by toro (2010-11-01 09:01)