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東慶寺 [芸術・文化]

映画「駈込み女と駆出し男」を観てきました。

前評判がよく、大泉洋ちゃん主演だし、「これは観に行かなくては」と思って、昨日(少しお安い月曜日)に行ってきました。

くしくも恩師のお墓が東慶寺にあります。

先日、男の友人3人とお墓参りに行ってきましたが、そのとき「縁切り寺なんだよな」、「草履を放り込めば駈込みOKなんだっけ?」、「そういうの聞いたことがある」などと言いつつ、さらには……カップルで来ていた人たちを見て、「カップルで来ちゃいけないお寺だよな」と小声でつぶやいたりして、50を過ぎたへんてこりんな4人組は東慶寺を後にしたのでした。

そして、これもご縁と思って観てきた「駈込み女と駆出し男」。井上ひさしさんの「東慶寺花だより」が原作です。


あらすじはあっちこっちで書かれているので割愛します(……LIFE!のカッツアイを思い出してしまった^^;)。

端的に言うと、虐げられた女性たちが東慶寺に駆け込んで救われるという話です。

『駈込み女』が虐げられた女性たち。

『駆出し男』は、大泉洋さん演ずる「中村信次郎」です。なぜ駆出しかというと、見習いの医者であり、戯作者であるから。

駈込むにもいろんな理由があります。基本は離縁なので、男性側の今でいうDVなどを理由としたものが考えられます。ですが、この映画のエピソードとして語られる女性たちの駆け込みの理由はDVだけでなく、花魁の世界からの逃げだったり、両親への思いがあったり。

とくに私の印象に残ったのは、隠れキリシタンである女性のエピソードでした。

東慶寺のなかに、院代である「法秀尼」が籠れる隠し部屋があり、そこに密偵として侵入した女性「玉虫」がマリア像を見つけ、その部屋から動けなくなるというシーン。玉虫の為人がそこでわかるのですが、それまでの描かれ方を観てきて、それは切なくなるものでした。

なぜかマリア像を見ると、心をぐっと握られるような気持ちになってしまうのですが、このシーンを見ただけでもホロリと来てしまって。

江戸時代という時代背景も非常に考えさせられた映画でした。

洋ちゃんの巧妙な語り口も見ものですし、樹木希林さんやキムラ緑子さんの芸達者ぶりも見事でした。

戸田恵梨香さん、満島ひかりさんもいい役者さんです。

なかなかよくできた映画でした。

ただ、言葉でわかりづらい部分があって、都都逸のような語りもあるので、「うん? これはなに?」と思っているうちに話は進んでしまい、見落としたところもあるように思います。

とりあえず原作を読んでみて、もう一回見るというのもいいのかもと思っているところ。

オススメです。



こちらは恩師のお墓。
お墓.jpg

木漏れ日が美しくて、いいところでした。



おしまい。




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