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最近読んだ本 [本の感想]

乱雑に読み続ける本たち。あ、なんか違う(笑) 本たちを乱雑に読み続ける。ま、いいか。

相変わらず、雑に本を読んでいます。

今回は「ですます」でいきましょうか(いつも、本の感想は「である」である)。

まずは「評伝 ナンシー関」。
評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」

評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」

  • 作者: 横田 増生
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2012/06/07
  • メディア: 単行本


知る人ぞ知る、舌鋒鋭く、いいところを突いてくるエッセイスト(でいいんだよね?消しゴム版画家?)でありましたナンシー関さん。亡くなって10年を迎え、出版された本です。

同い年ということもありましたが、ナンシー(勝手に敬称略して呼ばせてもらう)がこの世を去ったという報に触れたとき、なんてことだ! と大きなショックを受けたことを思い出します。

ナンシーの書く文章にいつも共感していたということもあります。見ているところが似ていると思っていました。でも彼女のその見て感じたことを文章にしたときの、その的を鋭く射ているところが、とにかく膝をポンといつも打ってしまうような絶妙さで、他にはいない唯一無二の人だと感じておりました。

そんな風にナンシーのことを思っていた、ナンシーの周辺にいた人の声を拾い集めて、評論した本だと思います。

帯に記されている言葉を読むだけでも、「うんうん」とうなづけることばかりで、あのころのことを知っている人ならば、懐かしいと思うだけでなく、やっぱり惜しい人を亡くしてしまったんだと感じるでしょう。

宮部みゆきさんは「『それでいいのか。後悔はしないのか』というナンシーさんの言葉を、いつも自分自身に言い聞かせているんです。」と言っているし、みうらじゅんさんは「オレ自身、ナンシーさんの悟りの境地のような文章にグッときてましたから。物事をちゃんと客観的に見られるから、ナンシーさんの文書は“言い得て妙”となっていたんでしょうね。心眼で物事を見る人だったから。」と言っています。

共通していることといえば、「客観的であること」なんですよ。客観的にどれだけ物事を見るか。「それでいいのか。後悔はしないのか」と言ってみると、物事を多面的に見なくちゃいかんなという気がするわけで、ナンシーの言動というのは客観的であることに端を発しているということができます。

でも、それを単純なまでに文章にするのではなく、文章を書いてから、その文章に改めて自分で突っ込んでみせたりするのがナンシーの技としてあったように思います。

そうそう、突っ込みたくなるよね、と感じるから不思議なもので…。それは照れであったりするのでしょうが、突っ込んで見せて、「ここがポイント」と言っているような気もするし。そういえば、こういったセルフ突っ込みのような文章を書く人を結構見るようになったのは、ナンシーが書き出したあたりか? と思ってみたり。

そして、消しゴム版画とそこに書かれたキャプションが色を添えて、書かれたエッセイ(評論)をニヤッとしてしまう作品にしてしまうのです。

うまかったなあ。

ぽつりとtwitterでもつぶやいたのですが、ナンシーの最新の文章を読んでみたいなあと思う今日この頃であります。誰か、ナンシーに憑依されてくれないかな(笑)






続いて、「自由すぎるオリンピック観戦術」。
自由すぎるオリンピック観戦術

自由すぎるオリンピック観戦術

  • 作者: フモフモ編集長
  • 出版社/メーカー: ぱる出版
  • 発売日: 2012/06/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


これを書いている「フモフモ編集長」という人のブログを面白おかしくいつも読んでいたので、買って読んでみました。

ロンドンオリンピックが始まる前に読んで、終わった後にも改めて読んでみました。

内容は、ロンドンオリンピックの見どころについてなのですが、この人の「フモフモコラム」を読んでもらえばわかるように、コラムのほうでは実況的な解説と思われますが、かなりいろんな妄想が入り交じり、こっちまで思いもよらない妄想にとらわれてしまうという不思議な観察眼が特徴。

フモフモコラムはこちら→http://blog.livedoor.jp/vitaminw/


「自由すぎる」とうたっているくらいですから、自由な観察眼を持っているわけです。

その面白さを書いてみたいと思いますが、これは読んでもらったほうがいいかな。とりあえずフモフモコラムを読んでみて、その妄想についていけるかいけないか(笑)

これを不快に感じて批判的なコメントを残す人もいますが、いつも読んでいる人はこの妄想に魅了されていて、「今回は、こう来たか」と読んで喜ぶ人が大半。私もそのうちの一人ですが、前述のナンシーと同様に感じる部分があって、「ああ、こういう見方があったか」とこの人の文章でも思えることがあるのです。

人と違う視点に出合える楽しさというか…。

行き過ぎた妄想に付き合っちゃおれん、という人は読まないでいいと思います。でも、なんというか、結局スポーツを観る視線に愛があるよな…と思う文章なので、微笑ましいと受け止めていいんじゃないかと思います。

さて、「自由すぎる~」のなかには「試合会場への乱入者にニラミを利かせ!!」という見出しの文章がありますが、いま思い出してみるといましたね、開会式の選手入場で、インドの選手と一緒に行進していた一般の女性が。

事前の予告ではありませんが、やっぱりいるんだなと。

でも乱入は選手にとって迷惑なこと。日本選手団が開会式の行進の末に外へ出されちゃった、なんていうのも一種の乱入? 乱出? じゃあないか、なんて妄想もしてしまいました(笑)

で、さらに妄想つながりで、私自身は最近の選手たちのお母さんとほぼ同じ年代に差し掛かっています。

なので、結構、自分があの選手の母親だったら…なんていう妄想が繰り広げられたのは言うまでもなく。

いまなおサッカーを観るたびに、「あの子がうちの子だったら」なんて考えたりすることもあります。

ふふふ、男の子がいたら、絶対にサッカーをやらせたのになあ。

てなわけで、あと4、5冊読了している本はありますが、長くなるのでこの次に。


おしまい。

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nakasama

フモフモ面白いですねー。
パラリンピックの報道の少なさにはいつもながら「なんで?」って思ってるんですけど...
いっそのことオリンピックと順番を逆にしたらもっと盛り上がるのに〜なんて思ったりしています。話題のCMもカッコイイのになー
あれ、話しが違う方向に行ってしまった^^;
by nakasama (2012-09-03 10:07) 

toro

*nakasamaさま*
フモさん、面白いでしょー。共感してくれる人がいた^^
ここ一連の記事はパラリンピックのことにかなり踏み込んで書いていて、
ふざけながらも、いい文章なんですよ~。
差別や区別を念頭にして、ちゃんと考えているし…。
評価できるんですけどね~。でも世間的にはキワモノ扱いなところが^^;

パラリンピックは水泳を観ていて感動しましたよ~。


*めりっささま*
ありがとうございます。

by toro (2012-09-04 08:47) 

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