携帯でメールを送りたい。 [家族の話]
義母から「携帯電話のメールの送り方を教えて欲しいんだけど」という電話があった。
朝早く。
<何事か?>と思ったけれど、せっかちな義母のこと。時間を待ちきれずに電話をかけてきたようなのだった。
その日、私は実家(姉の家)の犬の散歩に行く予定にしていたので、「じゃあ、犬の散歩に行くので、そのときそちらによります」と言って電話を切った。
夕方、夫の実家に行き、話をよくよく聞いてみると、義父が存命中に一緒に旅行していた仲間が、いまは義母の旅行仲間となったのだが、その人たちとメールのやり取りをしたいのだという。
その人たちの年齢はいくつなのかは知らないが、ツアーコンダクターをしてくれている人は、若いのだろうと思う。だから、携帯のメールでのやり取りは楽だろうし、お客さんにメールを覚えてもらえれば些細なことでもメールをして喜んでもらえるだろうと考えているんだろう。
しかし義母は76歳である。
76歳の彼女がそんな仲間たちのために、何とか携帯でメールが送れるようになろうという意欲を持つことはいいことだと思う。でも、如何せん76歳。機械ものをいじるのもそんなに得意とは思えない。義父と一緒にPC教室に通っていたことはあったが、義父が他界してからはぱったりとPCに触ることもなくなってしまった。
果たしてこれで携帯メールの送り方を覚えることができるんだろうか、と思った。
そして始めてみると……。
事前に、メールの送り方を誰かに教えてもらったことはあるようで、手書きで「メール送信の仕方」、「メール受信の仕方」が書かれたものを持っていた。
「どれどれ」とそのメモを見ながら教えようとすると……。
あああ。そうか。送信方法、受信方法を実に簡略化して書いてある。
例えば、「選択キーを3回押す」とか、「アプリキーを押す」とか、キーを押す動作にどういう意味があるのかを一切省いて、キーを押す動作しか説明しておらず、「3回押せばアドレスが開ける」というところまで簡略化してシンプルに教えようとしているようなのだった。
はじめ、その手書きの方法を用いて私がメールを送ってみようとしたものの、さっぱりわからず。義母は「3回押せって書いてあるし」と言いながら、その通りにやろうとするのだけれど、<どうしたらその画面が出てくるのか?>というようなことの繰り返し。
<これではダメダな>と思い、携帯の画面に出てくるナビとコントロールキーの関係などを教えることにした。
「画面の下に『選択』という文字があると思うけれど、この選択という文字の位置は、真ん中の決定キーのことで、この位置に必要な文字が出たときは、真ん中の決定キーを押すんですよ」というような具合。
実際には、それを一つひとつ目の前で見せて押してみせて、自分でも押してみて覚えるように仕向けたわけだけど…。
「黄色いバック(カーソルのある位置)を動かすには、矢印を押して動かして、そしたら『確定』と書いてある位置のキーを押して」……そんな感じ。
すると何度か試しているうちに、何とか送信・受信の仕方は覚えたようなのだった。
しかし、本文を入力するという段階になったとき……。
<これは難しいな~>と頭を悩ませることになった。
なぜなら、「げんきですか」という5文字をまず打ってもらうのに、「『け』は『カ行』だからかを4回押して…それから点々を押して……」というような感じで教えていったのだが、その方法は理解できるようなのだった。
しかし本人に、「『ん』は……えーとえーと『ワ行』よね。……えーとえーと……『き』は『カ行』よね…えーとえーと…」という具合に、50音のアカサタナの行が頭にぱっと浮かばないのだ。
<一文字打つのに何分かかるんだろう>
先が思いやられるどころか、文字入力を一生懸命覚えるうちに、今度は送信・受信方法を忘れてしまうのではないか、と思われた。
ともあれ、そこで一通り教え、「何度も何度もメールを試しで送ってみてください。そうするうちに覚えてくると思うから」と言って、夫の実家を後にした。
その後、家に帰ってきたら2通ほど義母からメールが届いていた。
<ああ、頑張っているなあ~>と微笑ましく思った。
翌日の朝、また義母からメールが届いた。
「これからスポーツクラブにいく」という一文だけだったが、ちゃんと打てていたので「頑張ってください」とメールの返信をした。
そして、そのまた翌日。
「お袋から、空メールが2通も届いているんだけど、これはなんだ?」と夫T君が言ってきた。
教えてから3日目のこと。
もう教えたことを忘れ始めたよう。
そんなものかな……。
面倒くさいんで、夫の家族との付き合いはほとんどしないようにしているんだけれど、こんなことがあると、何やら考えさせられてしまって悲しい気持ちになる。
さて、前回病気のことを書いたら……。ドイツで暮らす友人から手紙が届いた。その中身を読んでいくと、「来月、治療のために日本に行きます」とある。
何でも卵巣のう腫だか、なんだか、、。
ドイツでも悩んでいる人がいたか。
「toroちゃん。婦人科のことをよく知っているんなら教えて」と手紙に書かれていた。
あらやだ、どこに手紙を返信すればいいのかしら。
来月ということは、まだドイツに送っても間に合うわね……。
そんなわけで、これから友人に手紙を書きます^^;
ちなみに私の病状は現在小康状態。まだホルモン剤は使用していないので、ホルモン剤を使用しだしたら、そんな話も書こうかとは思っています。
それでは。
朝早く。
<何事か?>と思ったけれど、せっかちな義母のこと。時間を待ちきれずに電話をかけてきたようなのだった。
その日、私は実家(姉の家)の犬の散歩に行く予定にしていたので、「じゃあ、犬の散歩に行くので、そのときそちらによります」と言って電話を切った。
夕方、夫の実家に行き、話をよくよく聞いてみると、義父が存命中に一緒に旅行していた仲間が、いまは義母の旅行仲間となったのだが、その人たちとメールのやり取りをしたいのだという。
その人たちの年齢はいくつなのかは知らないが、ツアーコンダクターをしてくれている人は、若いのだろうと思う。だから、携帯のメールでのやり取りは楽だろうし、お客さんにメールを覚えてもらえれば些細なことでもメールをして喜んでもらえるだろうと考えているんだろう。
しかし義母は76歳である。
76歳の彼女がそんな仲間たちのために、何とか携帯でメールが送れるようになろうという意欲を持つことはいいことだと思う。でも、如何せん76歳。機械ものをいじるのもそんなに得意とは思えない。義父と一緒にPC教室に通っていたことはあったが、義父が他界してからはぱったりとPCに触ることもなくなってしまった。
果たしてこれで携帯メールの送り方を覚えることができるんだろうか、と思った。
そして始めてみると……。
事前に、メールの送り方を誰かに教えてもらったことはあるようで、手書きで「メール送信の仕方」、「メール受信の仕方」が書かれたものを持っていた。
「どれどれ」とそのメモを見ながら教えようとすると……。
あああ。そうか。送信方法、受信方法を実に簡略化して書いてある。
例えば、「選択キーを3回押す」とか、「アプリキーを押す」とか、キーを押す動作にどういう意味があるのかを一切省いて、キーを押す動作しか説明しておらず、「3回押せばアドレスが開ける」というところまで簡略化してシンプルに教えようとしているようなのだった。
はじめ、その手書きの方法を用いて私がメールを送ってみようとしたものの、さっぱりわからず。義母は「3回押せって書いてあるし」と言いながら、その通りにやろうとするのだけれど、<どうしたらその画面が出てくるのか?>というようなことの繰り返し。
<これではダメダな>と思い、携帯の画面に出てくるナビとコントロールキーの関係などを教えることにした。
「画面の下に『選択』という文字があると思うけれど、この選択という文字の位置は、真ん中の決定キーのことで、この位置に必要な文字が出たときは、真ん中の決定キーを押すんですよ」というような具合。
実際には、それを一つひとつ目の前で見せて押してみせて、自分でも押してみて覚えるように仕向けたわけだけど…。
「黄色いバック(カーソルのある位置)を動かすには、矢印を押して動かして、そしたら『確定』と書いてある位置のキーを押して」……そんな感じ。
すると何度か試しているうちに、何とか送信・受信の仕方は覚えたようなのだった。
しかし、本文を入力するという段階になったとき……。
<これは難しいな~>と頭を悩ませることになった。
なぜなら、「げんきですか」という5文字をまず打ってもらうのに、「『け』は『カ行』だからかを4回押して…それから点々を押して……」というような感じで教えていったのだが、その方法は理解できるようなのだった。
しかし本人に、「『ん』は……えーとえーと『ワ行』よね。……えーとえーと……『き』は『カ行』よね…えーとえーと…」という具合に、50音のアカサタナの行が頭にぱっと浮かばないのだ。
<一文字打つのに何分かかるんだろう>
先が思いやられるどころか、文字入力を一生懸命覚えるうちに、今度は送信・受信方法を忘れてしまうのではないか、と思われた。
ともあれ、そこで一通り教え、「何度も何度もメールを試しで送ってみてください。そうするうちに覚えてくると思うから」と言って、夫の実家を後にした。
その後、家に帰ってきたら2通ほど義母からメールが届いていた。
<ああ、頑張っているなあ~>と微笑ましく思った。
翌日の朝、また義母からメールが届いた。
「これからスポーツクラブにいく」という一文だけだったが、ちゃんと打てていたので「頑張ってください」とメールの返信をした。
そして、そのまた翌日。
「お袋から、空メールが2通も届いているんだけど、これはなんだ?」と夫T君が言ってきた。
教えてから3日目のこと。
もう教えたことを忘れ始めたよう。
そんなものかな……。
面倒くさいんで、夫の家族との付き合いはほとんどしないようにしているんだけれど、こんなことがあると、何やら考えさせられてしまって悲しい気持ちになる。
さて、前回病気のことを書いたら……。ドイツで暮らす友人から手紙が届いた。その中身を読んでいくと、「来月、治療のために日本に行きます」とある。
何でも卵巣のう腫だか、なんだか、、。
ドイツでも悩んでいる人がいたか。
「toroちゃん。婦人科のことをよく知っているんなら教えて」と手紙に書かれていた。
あらやだ、どこに手紙を返信すればいいのかしら。
来月ということは、まだドイツに送っても間に合うわね……。
そんなわけで、これから友人に手紙を書きます^^;
ちなみに私の病状は現在小康状態。まだホルモン剤は使用していないので、ホルモン剤を使用しだしたら、そんな話も書こうかとは思っています。
それでは。
76歳でその好奇心、羨ましいです。
義母は元気で・・・何年か前にPCも携帯メールも一時よく送ってきてくれたのですが・・・途絶えていますね。
電話の方が早いや~と思ったのか・・・
同じような年の方で写真入のBlogをやっている人も多いので・・・
脳ってナニが違ってしまうのかな? って思います。
ドイツほど・・・PCメールあればいいのに・・・って思いますね。
日本語変換しないっていうから・・・ローマ字で送る友達いますが・・・
それでも、役に立っています。
by こぎん (2008-09-22 08:18)
*こぎんさま*
76歳で何とか頑張れているほうなんでしょうが、どうなんだろう…という心配が
あります。いつまで1人暮らしができるのか…。義兄夫婦はどこまで考えている
のか…とか。
まあ、そのときが来たら…なんでしょうけれどね^^;
義母のお母さん(祖母)は80歳まで1人暮らしで頑張ったので、それが目安
かなあなんて思っています。
ドイツ…手紙がマダ完成していません^^; ちゃんと書かなくちゃ。。。
本当だったらPCでメールが送れるはずなのに、かなりアナログな友人なので…。
by toro (2008-09-24 09:23)
好奇心に年は関係ないのかもしれませんが、脳の衰退ばかりはいかんともしがたいですね。
義母は、81歳ですが、携帯を自由に使いこなしています。
同居しているんだから、私が仕事から帰ってからでも間に合うのに、マメにメールをしてきます。
しかし!
こちらから電話をしてもあんまり出ません。
耳が遠いから・・・・(@_@;)
私も、携帯は、ほとんど不携帯ですから、役になってはいませんが。
by mamire (2008-09-25 13:56)
*mamireさま*
81歳で携帯が使いこなせるなんて、すばらしいですね。
もう76歳の義母に教えるのに四苦八苦で…。どうしたら覚えてくれるのか、
どうやったら覚えやすいか。ずいぶんと頭を悩ませました^^;
「好奇心」がそんな意欲を与えてくれるのはいいんですが、覚えられないのは
つらいっすねえ。自分もそうなるのかな。。。
by toro (2008-09-25 17:38)