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最近読んだ本 [本の感想]

本当に暇でやばい。今月依頼されるはずだった仕事の話が来ないところをみると、どうやら一つ仕事が飛んだのだなと理解。

じわじわと我が身も不況の嵐に巻き込まれつつあるのかと思ったりしております。

政権が自民党の手に渡って、減税・増税案がドサドサと出ているのを眺めていると、「減税」に関して言えば庶民にはほとんど関係のないものばかり。

祖父母から孫への学費として贈与する場合の減税なんて、明らかにお金を持っている人に与えられる減税でしかありません。非常に差別的。あるいは企業への減税。設備投資の減税なんて、ばらまきもいいところだと思うし。

むしろ、子どもたちのための政策を考えてほしいと切に願ってしまいます。

最近の体罰で問題になっている大阪でのやり方なんて本当に汚い。橋下さんのやり方には本当に驚きました。子どもたちをないがしろにするような対応をする酷さは目を覆いたくなります。未来を作っていく彼らのためにどうしたらいいのか。体罰をなくすために体育科を普通科にするなんて、体育科を目指していた子どもたちの目標を奪ってしまうようなもの。受験を直前に控えて、何を考えているんだ! とおばさんは怒ってしまいました。

これでは子どもが悪いと言っているようなもの。体罰を与えられるような子どもがいる体育科が悪い、と言っているようなものなんですよ。体育科には子どもありき。その体育科をなくすというのは、そういうことでしょう。鼻白むというか、浅薄な考えしか持たない橋下さんにひどく呆れました。

それくらい、政治家の低レベル化は進行していると。

話を戻すと、給料が上がらず、物が売れないなかでの増税は、きっと私たちの首を絞め始めるでしょうし、そうなってくるといま以上に政治や行政に期待しなくなって、自分たちの力で何とかしなくちゃという感じになっていくのでしょうね。

鉱工業製品が売れれば企業は助かるのでしょうが、働く人々が助かるかと言ったら、全くわかりません。どうなるんでしょうかね。

まあ、そんなことを暇なもので考えたりしていますが、考えるだけじゃ駄目だなと。これを文章に起こして整理することくらいしておかなくては腕が鈍るなと。ぼちぼちと行きますか。

さて、最近読んだ本。

経済政策ばかりが耳目を集めて、果たして人としてそれでいいのかと思うなか、昨年末からチビチビと読み進めていた「歓喜の仔」。
歓喜の仔 上巻

歓喜の仔 上巻

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2012/11/22
  • メディア: 単行本



歓喜の仔 下巻

歓喜の仔 下巻

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2012/11/22
  • メディア: 単行本


借金を残して失踪した父親。けがをして植物状態になってしまった母親。そこに残された子どもたち3人が生きのびていく。

生きるために行うこと。生き抜いていくために、目の前にあることをこつこつと行っていく。子どもたちの一人、長男の誠が妄想して作り出す、ある国の占領下に置かれた都市に暮らす少年の物語を織り交ぜながら話しは進む。

二男で小学生の正二、末っ子で幼稚園児の香の考え、行動も生きるために必死だ。さまざまなことを乗り越えた後に、この3人に生きのびていくための奇跡のようなことが起きる。

「悼む人」から、天童荒太さんはどこへ向かっていくのだろうと思っていた。悼む人の静人のような物語を作ってしまったら、そこから先はこの世にはないのではないかと思っていたから。

しかし、より重く、壮絶な世界を作り出した。ちょうどアルジェリアの事件が起きて、フランスのマリ侵攻のことも相まって、その戦渦に巻き込まれているであろう子どもたちのことを想像し、日本では大人たちの勝手で進路を阻まれてるような子どもたちを想像し、それでも生きのびるんだと。人は滅びることはないんだと。

頑張れと、天童荒太さんは言っているんだ。人への讃歌でもある。


次は「たましいの場所」。
たましいの場所 (ちくま文庫)

たましいの場所 (ちくま文庫)

  • 作者: 早川 義夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2012/12/10
  • メディア: 文庫


帯に書かれた宮藤官九郎さんの言葉に惹かれて買って読んでみた。

「ジャックス」というグループで歌っていた早川義夫さんのエッセイ。

帯に書かれていたのは「誰かに悩みを相談するくらいなら、この本を繰り返し読んだ方がいいとさえ思っています。これは本当にいい本」という文言。

それで読んだ。

何というかなあ。確かに率直で素直に思いのまま文字を連ねていっているのだろうと感じる文章。

その率直さが、胸にぐっとくるんだろうな、たぶん。人によっては。

私には全く響いてこなかった。ぶっちゃけ、芸術家(崩れ)にありがちなナルシストで、一人でいたいのだけど、でもかまってほしいと感じている人なんだな、この人が。

若かりし頃、写真家になろうなんて思っていた頃に知り合った男性によく似ていて、気持ちが悪くなってしまった(笑)

エッセイだから自分のことばかりを書いていいとは思うけれど、人の気持ちを慮るような心の動きがほとんどなくて、「え?」って思った。こうやって自分の気持ちを押しつけるようなオッサンは嫌いだなあ^^; そして本人は押しつけているなんて思ってもいないのだ。

そうか。だからジャックスの歌は心に響いてこなかったんだ。納得。

クドカンが言っていることを前向きにとらえれば、ちっちゃいことにグジグジ悩んでいるオッサンの、このエッセイを読めば悩みを相談するのもばかばかしくなるよ…って感じか。


もう一冊。小林聡美さんの「散歩」。
散歩

散歩

  • 作者: 小林 聡美
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2013/01/11
  • メディア: 単行本


いや、こんなハードカバーでなくてもよかろうよ、という装丁なんだけど、まあ、いつも通りの小林聡美さんがそこにいる。

文庫化されたら読むといいよ。

物理的に開きにくい本は、持っているのがいやになるから…。そこが残念でした。




おしまい。



そうだ、次こそSNSについて書く。「女子にSNS疲れが顕著」という記事も読んだし、だからさ、今一度考えなくちゃ駄目だよ、という話(にしたいと思っているのだけど)。


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nakasama

もうね、じわじわじゃないです。
ここ数年は昔の倍くらい働くか、作業の効率をあげないとまともな報酬がないような状況ですから...
そういう意味ではハンパな政策よりこってり毒盛ってみました〜みないなアベノミクス?やってみたらいいじゃん!と思えてきたりして...。いかんいかん(汗)

う〜ん、橋本さんの方法もね良いか悪いかは別にして、その後の柔道の監督の件も同様、体罰をした指導者云々の問題ではなくてスポーツを生業としている組織の根幹の問題だと思います。
ちょっと前の相撲も警察も同じね...上層部がそうなんだからぶち壊さないと変わらない。
ほんと今回の学生たちはかわいそう。

私も中学の時の部活(バスケ)でそのときのコーチにシュートを落としたら紙の棒で腿を叩かれてそれが痛くてね〜何人かは足に大きな青痣が出来たのね。
100%決めることなんて無理に決まってるのに、体罰ありきの指導なんておかしいに決まってる!
無性に腹が立ったので5人くらいで練習をボイコットして校庭で別に練習をしていたら、退部にさせられて他の子たちの親が出て来て職員室で大問題〜になったことがあったのを強烈に思い出したわ。
話し合うチャンスももらえないままに退部は取り消されたけど、卒業するまで全員レギュラーから外された。

子供や選手に圧力かけて言う事きかせてるだけなのに、自分たちもそうして強くなったんだと思ってる人間がまた次の指導者として入ったら何の解決にもならない。
そういう意味では、橋本さんの言ってる事は理解できる部分もあるんだけど....やり方がねぇ〜^^;
by nakasama (2013-02-01 18:42) 

toro

*nakasamaさま*
もう経済(市場)はマヒしている状態なのでしょうね。
物の価値(対価)を決める評価が狂ってきている感じがします。
評価を下す人間が狂ってきているというか…。
安ければいいという感覚、いい物は高いという価値を認められない
人の増加とか。
もういい加減、そういう価値観を見直さないと足をすくわれる状態に
なるんだろうなあ、と思っています。(もうなっているか^^;)

体罰はとにかくよくない。
体罰を与えたからといって、頭がよくなるとか、スポーツが強くなるとか
そんなことはないと思うんですけどね。
誰か、そんなことをデータ分析してくれないだろうかと思いますよ。
各学校で体罰が行われていたか、行われていないか。
そこで成績はいいのか、スポーツは強いのか。
きっと偏差値の高い有名校では体罰はないだろうし、スポーツが強い
学校でもそうではないかと想像できるわけで。
もし、体罰を行うことで多少はよくなったとしても、ドメスティックバイオレンスと
同じように、依存、共依存的な関係に陥っている可能性も想像でき…。

今回の大阪の問題は、橋下さんのやり方が結果として生徒を悪者に
してしまっているということに憤りを感じるのです。
守られるべきは生徒なのに、生徒を守らないばかりか、臭い物に蓋を
するという方法で根本的な解決になっていません。
実際に生徒たちに嫌がらせをするような人も出てきているようですし。
それは当てるべき焦点をずらしてしまったからなんですよねえ。
もっとちゃんと時間をかけて解決に導くべきなのですよ。
依存、共依存的な関係が成り立ってしまっているのなら、第三者が
間に立って話し合いを持ったらいいですし、体罰は何の役に立たないと
周知徹底するなど。
どちらにせよ、時間のかかることを短い時間で終わらせようという方法は
根本的な解決には遠いと思っております。
…長くなってしまいました^^;
by toro (2013-02-02 15:18) 

めりっさ

「歓喜の仔」、いやぁ、良かったですね~。途中、あまりの救いの無さに読むのが辛くなったところもありましたが…。
何だか「人は生きていける」って気分になれる作品でしたね~!
「悼む人」でいったん自分の世界観を集大成したかのようだった天童荒太さんでしたが、新たな世界を築き始めた、といった印象ですね。
今後の作品もまた楽しみになりました!

by めりっさ (2013-02-03 10:22) 

toro

*めりっささま*
ねえ。よかったですよね~。
誠の妄想が現実のような話に変わったり、香の幽霊が見えて話を
するところなんかも、あちらの世界、こちらの世界が繋がっていると
暗示させるよう印象があって、そんなところも楽しく読めました。
次回作も楽しみですね^^
by toro (2013-02-04 09:03) 

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