おふくろの味とは幻想なのでは。 [食・料理・酒]
ここのところ浮き沈みが激しく、今日は引きこもりモード。何だか疲れた……。
「バッサバッサと行くかい!」と計画を練りながら、思いつきを言語化(文章化)しながら、人を説得したり、動かしたり、お願いしてみたりしたあと、たいがいのこと時期尚早といった具合に壁にぶち当たる。
そして引きこもり。
引きこもりも一日くらいしか許されないのだけれど、引きこもって英気を養えるんならいいかと思ったり。ちょっと優柔不断にもなる。
しかし、やっぱりやらねばならないことがあるので、再び立ち上がってバッサバッサと行くわけだ。
このバッサバッサが疲れる元なんだけど、バッサバッサがなくなったら、何にも進まんのやね。
あ~わがままだわ~。
どうしたらこの性格が直るのかしらん。40年以上生きてきたからな~。直らんのやろうなあ。
スイッチが入るとね、頭の回転がシャキシャキ速くなってしまうんだね。エンジン全開。即座にフルスロットル。
車に生まれてたらいい仕事してたとおもうわ。
* * * * *
さて、突然ですが、おふくろの味なんていうものを考えてみました。
「おふくろの味」って何さ? というわけです。
よく言う「おふくろの味」は「肉じゃが」かと思われますが、実は私は肉じゃががあんまり得意ではないのです。
すぐお腹が一杯になっちゃうし。微妙な甘辛さ…醤油くささに嫌になってしまったり。
食べろと言われれば全然平気に食べられるのですが、自分で作ったりするのも平気なのですが、でもあんまり好きではないという…。何でこんなことを書くかというと、実は従姉(北海道在住)からふんだんにジャガイモが送られてきて、せっせとジャガイモを消費しているんですけどね、ジャガイモ料理のレパートリーが少ないと。結局のところ「肉じゃが?」にたどり着いてしまうと言う情けなさで……。
それはさておき、何で「肉じゃが」が好きな人が多いのか。何で「おふくろの味」と言われるのか。それが唐突に気になりだしたのでありました。
で、ぼんやりと調べてみたんですけどね。
肉じゃが…昭和40年代後半以降に家庭料理として定着したとある。元はといえば、東郷平八郎が留学先で食べたビーフシチューをまた食べたいと言って作らせた料理が「肉じゃが」だったとか。
では、肉じゃがの肉は何を使うのか…実は私の実家は牛肉で、T君の実家は豚肉であったのだけど、私が作った牛肉の肉じゃがはT君には不評だったのだ。もともと豚肉じゃがで育っていたかららしいけど。
それはこちら→http://hougen.atok.com/column/doc/pc/uni_backnumber5.html
牛肉が主流でした。
「じゃあさ、T君のおふくろの味って何さ」と聞いたことがあったのだけど、返事は「ロールキャベツ、コロッケ」……。
「おふくろの味にしてはそれは……?」と思って、なんだかんだと聞いてみると、要するに、おふくろの味というよりも自分の好きな食べ物だったんだね。好きな食べ物だから、母親に作ってもらって食べていたということなのでありました。
そこで、「私にとってのおふくろの味って何だろうな」と考えてみた。
あんまりないんです^^;
天ぷらかなあとも思ったのですが。(母は揚げ物を上手に揚げられる人)
煮物? 筑前煮のような我が家特製の煮物かなあ。
あ、煮豚というのもあるな。我が家特製の煮豚。
なーんてことをツラツラ考え、思い出してみましたが、結論……。
私と母の味覚はかなり違う、ということ。
要するに、母は自分の好きな食べ物をお料理していたのだと思うのだけれど、母の好きな食べ物がイコール私の好きな食べ物ではなかったということ。さらに言えば、母に「これを作って、あれを作って」というリクエストをした記憶がないのです。
ということは私のおふくろの味というのは、私自身、別に好きでも嫌いでもない味、ということになるのかと。
「おふくろの味幻想論(?)」
おふくろの味は誰もがべた褒めするものではないのかもしれない、というところに行き着いてしまった……。
いーんでしょうか。こんなんで。
さてはて、皆さんのおふくろの味とは、どんな味でしょうか。それは好きでしたか、嫌いでしたか。
私ってばイケズな感じね。
おふくろの味に理想を抱いている人、ごめんなさいだわ。
おしまい。
toroさん、おはよう!
自分のカテゴリに「なんちゃっておふくろの味」っていうのを作った時に、テレビだったと思うんだけど、「おふくろの味」にハンバーグだのカレー・・・洋食が列挙されていましてね。ま、時代なんだろうな~と思いつつ、違和感を感じたのでございます。
昭和の30年代後半位が境になるのかな。それまで和食が主だった家庭の味が、切って炒めて混ぜるだけのレトルト食品で、中華やイタリアン、欧米風料理が簡単に家庭でできるようになって、それは子どもにも新鮮で美味しかったです。
それまでの納豆・海苔・干物に味噌汁なんて食事が貧相に思えたり・・・
ただ、大人になって両方の時代を知っている末期の世代としては、ホントにそれでいいのか? って家庭内使命感を感じたのですわ。
おほほ^^;
季節の素材や保存のために干した素材を使った昔ながらの素朴で、質素ながら手の込んだおかずは、日本からなくしてはいかん!
で、我が家のことを考えたら、ぼんは「切干大根」も「ひじきの煮物」も好まない・・・好まないので、子どもに傾斜したおかずを作ってる。
それに対しての母の反発で、そのカテゴリを作ったのですわ。(迎合おかずも入っていると思うけど)
そして、ぼんは実験材料。これは知っているか? 食えるか? これはうまいか??・・・と。
最近は全く、機能していないんだけど・・・。
おふくろの味って、実母の・・・っていうより、昔ながらの家庭・郷土料理なのかなって思っています。
いつか、私が死んで・・・ぼんの頭の中に、あ~そんなのもあったなって残っていてくれるだけでもいいかな。
ウチの肉じゃがの肉は気分と財布の中身次第。
長々と・・・ごめんなさいっす。
by (2007-05-13 10:03)
*こぎんさま* ありがとうございます。
「おふくろの味」=郷愁を覚える味、郷土の味 とするといいかもしれませんね。
はからずも、昭和40年代後半に家庭に定着した「肉じゃが」が「おふくろの
味」の代表というのが微妙な線なのでしょうか。
私は好きではないのが残念……。
友人の息子(小学生2人)に「おふくろの味=お母さんの料理で好きなもの」
を聞いてもらったら、一人は「味噌汁」、一人は「海鮮丼」という返事でした。
「ああ、お味噌汁をちゃんと作っているんだなあ」と友人の料理をしている姿
が想像できたりして、微笑ましかったです~。
結局、母親(父親もだけど)が文化としての郷土料理を受け継いでいるのか
とか、日本食(和食)を受け継いでいるのか…そんなところに、気持ちの
もやもやがあるのかもしれないですね。
でも、うちの母の料理で「おふくろの味」と胸を張って言えるのはないです。
イケズかもしれないけど。
郷愁を覚えるものを「おふくろの味」だとすると……
私にとっては「おせち料理」かな。
母がせっせとおせち料理を作っているのを手伝って、お正月に食べるそれが
忘れられないおふくろの味なのかも。う~ん。
考えてみると奥が深いですよ、これって。
by toro (2007-05-14 19:07)