WBCに思うこと……好きだけど嫌いなアメリカ [スポーツ]
WBCでメキシコがアメリカを破り、日本の準決勝進出が決まった。
「これは絶対ないだろう」と思っていたカードになってしまった。
なぜなら、アメリカを必ず準決勝、決勝へ送り込まなければならなかったはずであったから。
「何のための誤審だったの?」なんて笑ってしまう私である。アメリカの球場で行われるのに、準決勝のカードにアメリカチームがないなんて、アメリカ人は絶対に考えていなかったと思う。
アメリカチームと、アジアからのチームが1チーム、中米から1チーム、それともう1チームというようなシナリオを描いていただろうな、と想像できる。
しかし蓋を開けてみれば……(笑) 想定外だろうなあ。
今回のトリノオリンピックにしても、アメリカのエンターテイメント化したXゲームでのつわものたちが、いくつもの金メダルを取っていっている。これに端を発するわけではないが、アメリカのスポーツの在り方を、他の国にあてはめてはいけないような気がする。
例えばサッカーW杯。ヨーロッパや南米、アフリカ大陸からのチームが、比較的平等に扱われて、そして戦いが行われている。そこでのアメリカの活躍はほとんどない。最近はアメリカ代表チームもそこそこ強くなったようであるが、これをどのようにとらえるか。
アメリカという国は常に一番じゃなくてはいけないし、そうするためにお膳立てをするという国であるということではないか。
サッカーW杯であまり強くないのは、お膳立てができないものね(たぶん)。
ま、所詮、野球なんてローカルなスポーツだったのだよと。そして、トリノオリンピックのスノーボードのハーフパイプなんかは、やっぱりローカルなスポーツだったのではないかと、私は思ってしまうのだ。
何とはなしに、それぞれの国のスポーツのとらえ方の違いを考えてしまう。
さて、とはいえ、野球を観るのは嫌いじゃない。もともとスポーツ観戦は好きな性分である。
なので、私はメジャーリーグのプレーを本場で観てみたいと、ずーっと思っていた。
(長くなったので…)
実現したのは2000年のこと。シアトル経由でアラスカに遊びに行ったのであるが、「せっかくだからシアトルでメジャーリーグを観にいこうよ」ということになった。
「チケットはどうするのさ」と私はT君に言った。
「ネットで取れるようだぞ」
「どれどれ」……インターネットで検索してみる。。
「本当だ、取れるじゃん」
「おお、旅行代理店で取ってもらうより全然安いしな、それに座席も選べるんだな」
というわけで、インターネットでチケットを取ったのであった。「便利な世の中になったもんだ」と思ったのは言うまでもない。いまから6年ほど前の話である。
シアトルに着いたその日に野球観戦と相成った。できたばかりのセーフコフィールドにタクシーで向かい、チケットを受け取ろうとチケットセンターに立ち寄った。
「パスポートを見せろって書いてあったよね」
「うん」
「それで、すぐにわかるのかな」
「う~ん、どうなんだろう」
完全におのぼりさん状態の2人である。
しかし、それは全くの杞憂に終わり、パスポートの表紙をほんのちょっと見せただけで、チケットを受け取ることができた。
「うむ、どうやら日本人とすぐにわかったみたいだな」
「うん、そうだね。私たちもわかりやすいカッコだったかも…(笑)」
(佐々木選手がいた頃である。白黒モザイク化されているのはT君^^;)
アメリカの野球場は「ボールパーク」という。直訳すれば野球の公園だ。
野球を楽しみながら観るための公園なのだ。
日本の野球場とどれだけ違うのか、ワクワクしながら球場に入った。
「うへえ、バーがあるよ~T君」
「おお、本当だ」
「このカウンターでお酒を飲みながら観戦ができるんだねえ」
「うん、いいなあ」
入ってすぐ目に入ったのは、ちょっとしたカウンターバー。お酒には目がない私たち2人は、おっしゃれーなバーがあるというだけで感動をしてしまったのである(単純…だって東京ドームにはない;;)。
もちろん私たちはビールを片手に、ナチョスやピザを買って自分たちの席に向かった。
席についてふと観ていると、なんと……BAHA MENのライブが行われていた。
(矢印のあたりでBAHA MENが演奏をしている。電光掲示板にもBAHA MENの文字)
ただでライブが観られたんだよ~(入場料は払っているけど)。これこそ想定外。
「なんかさあ、ボールパークに来たら絶対楽しむぞ、っていう意気込みを感じるよね」
「ああ、そうだな。ちびっ子たちもやる気満々でグローヴを持ってきているし」
「そうだよねえ。日本の野球場で見られない光景のような気がするね」
……そして語りだすT君。
「だいたいな、日本のプロ野球は土日でもナイターで試合するのは間違っているとオレは思うんだよ」
「ああ、そうだよねえ」
「子どもを野球場に連れて行きたくとも、夜の試合なんて難しいだろうさ」
「うんうん」
「やっぱり明るいうちに子どもに野球を見せて、その楽しさを知れば、野球選手になろうかという子どもも出てくるだろうよ。。。全く、日本のプロ野球は大人本意でいかん」
プンプンしだすT君であった。
見れば、この日はナイターであったが、子どもを連れて観戦に来ていた人は早いうちから来て、そこそこの時間になれば子どもを連れて帰るという人が多かった。
ちゃんとボールパークでは野球を楽しみながら観るということを、親たちが教えているようなのである。
それも近くの知らない人たちとも和気藹々。
(いいプレーにはスタンディングオベーションだよ、おっかさん)
この日はマリナーズが大量得点で快勝。残念ながら、佐々木投手の出番はなかった。
でもアレックス・ロドリゲスや、ミスターマリナーズのエドガー・マルティネスを観ることができてよかったんだねえ。
子どもたちが一生懸命エドガーコールをするんだよ。「エ~ドガー」ってさ。
日本のプロ野球は鳴り物が許されているが、メジャーリーグではそんなものはなく、皆、それぞれ声を張り上げて応援する。その生身の応援という感じが、日本にはない雰囲気をかもし出していて、楽しんでいる様子がヒシヒシと伝わってくるのだ。
しかもドームではないから、外の空気がさわやかなのである。
(日本の球場では神宮とか横浜スタジアムとかであれば、そのさわやかな空気を感じられるが、ドームじゃあねえ…。)
それから、一緒に「Take me out to the ball game♪」を歌えたのが嬉しかった^^
アメリカ人の野球を楽しむ姿勢はステキだな、と思った瞬間である。
アメリカには、こういう文化がきちんと育まれているのだ。これはとても好きな部分である。
しかし、今回のWBCのようないんちきくさいことをやられると、アメリカがなんだか嫌いになってしまう。
これも文化なのか? Double Bindというか、Double Standardというか…。これは嫌いな部分だ。
関係ないけど、米軍基地移転費用の75億円ドルも、何をかいわんやと思っているんだけどさ。
好きだけど嫌いなアメリカここにあり、だ。
さらに言えば、もう、海外旅行をしなくなって3年が経つ。
それまでは毎年1回は海外に遊びに行っていたけど、当分は行かないなあ~と思う(経済的にも)。
アメリカには一番行っていたのだけど、そのアメリカの入国審査の異常さや禁煙地獄(T君ね)を考えると、足も遠のいてしまう。
私にとってのアメリカはとても遠くなった。
そおんなことを、WBCの推移を見て、ツラツラと思ったのであった。
おしまい。
野球にあまり興味がない私ですが、球場に野球を見に行ったことがあります。でもその雰囲気が十分に楽しかった~。
by (2006-03-17 23:55)
球場でアルバイトした経験があります
阪神ファンって怖い!って思ったけど、でも楽しかった~♪
野球はあまり必死には見ないけど、阪神と一応カープファンです。
テレビで見るのは好きじゃないけど、球場で見ると
選手とかわからなくても盛り上がっちゃってました~☆
by ao (2006-03-18 17:20)
ほんと!
アメリカには「いいなあ、カッコイイ」と思うところと、
「野蛮だ、サイテー」と思ってしまうところが、混在しています。
今回のWBCは全然期待していなかったのに、野球という
スポーツの拡がり、面白さを再認識しました。
by kaz-i (2006-03-18 21:08)
関西人のクセに巨人ファンというダンナに連れられて、昔は後楽園に行ったもんですが。。。ただ券が入って行ったら阪神側・・・阪神ファンの中で巨人を応援したことも・・・
最近じゃ、全く。。。なんか、サッカーを見ていると、野球がスローに思えるらしい。(サッカーファンでもあった)
あの審判は野球音痴の私でも、変よね~~と思った。。。
今朝、他力で準決勝進出したよ~~って言ったら、知らなかったみたいで「アホ~、他力でもなんでも、進出は進出ぢゃ~~~」と喜んでおりました。
海外旅行! 行きたいっす。
by (2006-03-18 23:18)
ほんとに・・・。
きっとアメリカはこの想定外の事態にいろいろ言い訳するんでしょうね。
でも参加していた選手は一生懸命やっていたので、あの誤審はアメリカの
一流選手達に対しても失礼だなと思いました。
こういう国際大会になると、妙に弱い日本選手をみていると、やっぱり
モチベーションの持ち方が難しいんだろうなーと思いますね。
イチローがしきりにオールジャパンに参加することの「誇り」を強調するから、
余計にそう思います。
でも、本場でメジャー観戦!?素敵!行ってみたい!
by pu-yama-gorogoro (2006-03-19 00:37)
*あじごんさま* ありがとうございます。
球場は楽しいですよねえ~^^ 何だろうなあ、あのワクワク感は。ぱあっと、目の前が開けるからかなあ。気持ちいいんですね。
今年はぜひ横浜スタジアムでベイスターズの応援を(!?) CKBの応援歌が流れますぞ~(うふふ^^)。
*aoさま* ありがとうございます。
球場でバイトですか。楽しそうだなあ♪
甲子園は揺れるって聞いたことがあるけれど…。阪神ファンのパワーはすごいですものね^^ 大阪で働いていた頃、ベイスターズ(ホエールズ)ファンの私は小さくなっていましたよ~。(いまもか…?)
* kaz-i さま* ありがとうございます。
二律背反というか…アメリカには複雑な想いを寄せてしまいますよね^^;
憧れでもあったわけだし、、、。初めてアメリカ本土に降り立ったときは妙に感動したんですけど。でもいまははるか向こうに行ってしまったアメリカです。
WBCは意外や意外、面白かったですね^^ 明日、優勝するかな…。
*こぎんさま* ありがとうございます。
あ~っ、関西出身者で巨人ファン! …実はけっこう多いかも~。うちのダンナも巨人ファン(のよう)でございますよ~。
そうそう、サッカーですよねえ、やっぱり。。。うんうん。これはね、しょうがないと思います。だってサッカーのほうがやっぱりかっこいいんだもん(笑)
あ、でも他力だろうがなんだろうが準決勝進出は進出ですよね。勝負の世界は厳しいのだ! 私も久しぶりに海外に行きたいっす^^;
*ぷうやまさま* ありがとうございます。
WBCについて、アメリカはもうビジネスとして成功したのかどうか、ということに関心があるみたいですね…。スポーツマンシップのなんたるか、という話はないに等しく。こういう報道に接すると、アメリカ人のメンタリティを疑ってしまうわけでイヤになりますよ~。ふう。
歴史の浅いアメリカの、せっかくの伝統なのにダメじゃん、と思ってしまいます。
とはいえ、本場のメジャー観戦はよかったです!チャンスがあればぜひ!
(私も機会があればまた行きたいっす!)
by toro (2006-03-20 10:20)