能天気にはなれない

アメリカ新大統領のバラク・オバマ氏の演説内容を知りたいと、朝のニュース（フジテレビ）を見ていたけれど、あまりの省略のひどさにNHKに変更。聞き取りやすい英語でわかりやすさを感じるが、そのせいで和訳がおかしく感じてしまうのが難点。自分で原文を仕入れて訳せばいいのかもしれないけれど、そんなに英語力もないし…。

というわけで、毎日新聞のサイトに全文が和訳されていたので読んでみた。

読んでみて思ったことは、オバマ氏の意欲は感じられる。どちらにせよ所信表明みたいなものなのだろう。これからの具体的なことはほとんど語られていない。

でもそのわりに「あれ？」と思う箇所はあった。

以下、引用。

『（大いに前略）
先人がミサイルや戦車を使うのみならず、信念と確固たる同盟をもってファシズムや共産主義に勇敢に立ち向かったことを思うだそう。先人は軍事力だけが我々を守るのではないことや、またそれを好き勝手に使えないことを知っていた。

代わりに、彼らは慎重にそれを使うことで力が増し、安全は目的の正しさからと、他国の手本となる振る舞い、謙虚さや自制心から発することを知っていた。

我々はこの遺産を引き継ぐ。これらの原理に再び導かれ、解決により一層の努力が求められる新しい脅威に対抗できる。我々は責任を持ってイラクから撤退し始め、イラク人に国を任せる。そしてアフガンでの平和を取り戻す。古くからの友人とかつての敵と共に、核の脅威を減らすために絶えず努力し、さらに地球の温暖化とも戦う。

　我々の生き方について言い訳はしないし、それを断固として守る。無実な人々を殺したり、脅迫で自己の目的の実現を図る者に対し、告げる。我々の意思の方が強く、我々の意思を曲げることはできない。我々の方が長く生き、そして打ち負かす。

（後略）』


この部分。

「イラクからは撤退するけど、今度はアフガニスタンに行くよ」と言っている。そして、「我々の方が長く生き、そして打ち負かす」のだそうだ。

やっぱり勝ち負けが問題なんだ。




大統領選を「戦ってきて」、大統領に就任して…。戦って、打ち勝ってきた人だからこその言葉なのか。アメリカ人特有の精神構造なのか。

何だかどうでもいいことではあるんだけれど、実際の演説中の言葉で「打ち勝つ」と言ったときの「hit」という音が耳について離れなかった。

「CHANGE」と威勢のいいわりには、アメリカはあんまり変わらないかもしれないな。




私の本音を言えば、女性が大統領になったらいいと思っていた。ヒラリーさんがどこまで優秀なのか、どこまで信用できるかはわからないけど。政策的にも疑問を持つ点はあったけれど、ヒラリーさんが大統領になったら面白いな、と思っていた。

アメリカ社会だけではなく、白人社会には以下のような図式が成り立っていると思うから。

白人男性＞有色人種男性＞白人女性＞有色人女性

人種差別もわかるけれど、男女差別のほうが根は深いと思っているので、ここで女性大統領が就任したらいいのになあ、いい機会なのに、と思っていたのである。

たぶん、もう私が生きている間に女性大統領が就任するチャンスなんてないんじゃないかなと思う。

なんとな～くだけれどね。



ま、アメリカの大統領が誰であっても、あんまり変わらないアメリカ人気質というのが存在するよな、と思ったのでした。


新大統領に期待すれども、やはり能天気にはなってられないよ～。


おしまい。

コメント 5

こんにちは。
私も昨日は遅くまで、就任式を見てしまいました。
確かに、女性の大統領に期待するところは大きかったかも。
でも、一つ、歴史に新しい道を残すことができたのはよかったかな。
アメリカがどんな風に変わっていくのか見届けたいです。
なんたって、経済基盤をしっかりしてくれないと、日本も立ち直れない。
というか、我が家の生活が立ち直れないですの。
by ｍａｍｉｒｅ (2009-01-21 14:19) 

結局、アメリカは上から目線だし、
世界の頂点に立ってリーダーやってます的なところ、変わんないのねえ。

by あじごん (2009-01-22 06:34) 

*mamireさま*
外資系にお勤めの方は、直に影響があって厳しいですよね。
確かに日本は製造業が厳しい状況に追い込まれているけれど、大企業においては
企業努力はしてきたの？　と問いたいくらいです。日本はアメリカと違って、
資産＆貯蓄が多い国ですから。そして、終身雇用という日本ならではの身上が
あったのに。
日本らしい景気回復と経済のあるべき姿を実現して、極東発で世界中を駆け
巡って欲しいものです。
アメリカは「CHANGE」するのかなあ。オバマさんの若さはいいですけどね＾＾
ともあれ、世界平和についてはアメリカが握っていますから、それだけはお願い
したいです。

*あじごんさま*
ねえ、上から目線はやーな感じですよねえ～。それこそ同じ人間なのに。
アフリカ系初の大統領なんて言って、うかれてんじゃねえよアメリカ、って
ついつい思ってしまいました＾＾；
by toro (2009-01-22 08:42) 

イラク撤退後、アフガンは数日前にコメンテーターさんが言っていたので、
あっ！そ～ゆ～こと・・・だったの。宿敵オサマが居るし・・・。
オバマとオサマ・・・一字違い＾＾；
もの凄く、期待してはいるんだけど、やりたいことをしようとすると第２のケネディにもなりかねないという懸念が私の頭ん中にあって・・・
先ずは暗殺されなくてよかったね～って安心しました。

国内は病みすぎていて、やること山積みだと思うんだけど・・・
世界のリーダー？　他国の見本となるのであれば、一番望むことは
「兵器製造・購入の世界的廃止」手本となってほしいです。
そこに手をつけたら、ホントに暗殺されちゃうかな？？

ファシズムは別として、共産主義と闘った結果の今の資本主義社会が本当にいいのかどうかも・・・ぎもん～。
女性大統領もだけど・・・わが国の女性総理大臣。
これも生きている間に見てみたいですよ～～。

by こぎん (2009-01-22 09:01) 

*こぎんさま*
オバマさんは私も暗殺されるのではないかと…。在任期間中は心が休まること
がないでしょうね。

当然なのでしょうが、妙にアメリカを正当化している演説で、これはいやはや。
軍需産業があり、職業軍人がたくさんいらっしゃるから、そこに手をつけるのは
大変だろうと思います。な～んて言って、日本も軍需産業がありますからねえ。
いろいろと考えさせられます。


by toro (2009-01-23 07:56)