親孝行ではなくて自分のため

もうここのところ、ほとんど毎日のように実家に通っている。滞在時間は短いものであるが、母の様子を見て、犬の散歩をして、代わりに買い物に行くというものだ。

これを、自分でも照れ隠しで「孝行娘」と言ったりしているが、実は全く親孝行であるとは思っていない。

私の中では完璧なほどに、自分のために行っていると思っているのだ。

母の病はどれほど進行しているかはわからない。

だから、いつまで母と会うことができるのか、いつまで話ができるのかわからない。

もしかしたらすぐにでも会えなくなってしまうのかもしれないし、話せなくなってしまうのかもしれない。

そんな恐れを自分が抱いているために、自分のために母のところへ行くし、手伝いをしているのである。

これが親孝行かと言われると、母から見れば確かにそうかもしれない。

しかし、私は自分の思いから発した行動であるので、親孝行であるはと思っていない。

もしかしたら、母に頼まれて行動を起こしていたら、「私ってば親孝行でしょ」なんて言っていそうに感じる。親孝行の押し売りをしていたかもしれない。

一方、母はこんなことを言う。

「toroちゃんを産むかどうか悩んだとき、知り合いに『家族のためになるんじゃない？』と言われたのよ」と。

要するに、「のちのち、あなた（母）のためになるよ」とその知り合いは言ったようなのだ。

そして、母には霊感の強い友人がいる。その人はこんな風に言ったそうだ。

「toroちゃんがあなたの面倒をみるようになるから」と。

これらの言動を聞くにつけ、ある意味、母も自分勝手だなと思わざるを得ない。だって「自分のためになっている」と思っているんだもん。

とまあ、お互い様な母娘なわけだ。

お互い自分のために、親の面倒をみ、娘に託している。

家族というのは結局そういう人の集まりなのかな～、と漠然と思ってもみたり…。

なので、「親孝行」と言われるとむずがゆいというか、何とも言えない違和感を持ってしまって、苦手なのである。

 

さて、我が家の孝行息子＾＾

　　　　　　

作業台の上のせまーいところで寝ておるよ。可愛いなあ。和むよねえ。

これこそ、孝行息子であるよ。D君。

 

おそまつ。

 

コメント 4

toroさんの気持ち、とってもよくわかるなあ。
親孝行だ！なんて思ってすることなんて、案外親にとっては余計なお世話
なのかも。
D君、モコモコですね！気持ちよさそう～。
by pu-yama-gorogoro (2006-11-14 15:59) 

自分の母が入院していたとき、同じようなことを
考えながら毎日病院に通っていたことがあります。
いろんなことを話しました。他愛ないけれどかけがえ
のない時間だったと思います。
by kaz-i (2006-11-14 16:14) 

私の最近の記事に親孝行だね～～というコメントが並んでいますが・・・
そうなのかな～～とか、わぁ～、くすぐって～～～とか、いろんなことを考えますわ。
私は素直に考えると親孝行がしたいです。どうしたら晩年の母が幸せに過ごせるか・・・今、葛藤の日々ですわ。暇あればそのことを考えているのに・・・母・・・何も望まない・・・あれしたい、これしたい･･･がなく無気力。
そんな人には一体何をしてあげたらいいんでしょうね。ほんとにまぁ。
一緒に暮らせればいいんだけど・・・。
by (2006-11-14 22:52) 

*ぷうやまさま*　ありがとうございます。
親孝行という価値観というのは、どういうものなんだろう…と
イチイチ考えてしまうんですよね～。やっぱりよくわからない代物で（笑）
何というか、「親子であっても一人の人間同士じゃん」という思いが
強いもので、こんな感じになるんでしょうね。
D君、一段とモコモコしてきましたよ。冬だ！

*kaz-iさま*　ありがとうございます。
結局、自分にとってのかけがいのない時間になるんでしょうね。
私もそう思います。母はどう思っているのか、わからないですけどね。
どうも毎日、待っているみたいです＾＾；

*こぎんさま*　ありがとうございます。
橋本治ちゃんが、『「自分のことを考えろ」というと、「まず自分のことを考える
人」と「まず他人のことを考える人」の２種類ある』と論じていたのを思い出します。まあ、ややこしいことは治ちゃんに任せればいいのですが、、、＾＾；
うちの場合は、お互い、人がいることが煩わしいと感じるタイプなので、
やっていることは最低限だろうな、と思います。
あと現実として「やらなくちゃ」という段階かな、とも思っているんですよ。
「やってあげたい」と思うことが、できなくなってきているんで。。。
できるうちが花なのかなあ～。
by toro (2006-11-15 08:38)