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久しぶりの更新は…… [芸術・文化]

一カ月近く更新を怠っていました。

この間、1人で夜中に「EURO2016」を観たり、ゴルフの「全米オープン」、ラグビーの親善試合を観たり、TVでひたすらスポーツの試合を観ていました。

何も考えたくないというのが本音で、目の前にある真実だけを見ていたいという気になっています。

何度も記していますが、日本の政治の大うそや、大企業の隠ぺい体質、マスコミの偏向報道などなど、見ていて嫌になっているのですよ。そんな話はもう聞きたくない。見たくない。

なので、スポーツのライヴ放送に癒しを求めていると言っても過言ではない、そんな感じです。

それだけではなく、できるだけ「生」を見ていこうという気になっています。友人の個展に行くなんていうのも、その一環。実物を見に行くことが、自分のためにもなると、そんな気がしています。

いや、いま見ておかないと、いずれ見られなくなるのではないかという、どこかで不安を抱いているというのも事実です(自分の老い先も短いですしね)。


最近は演劇(お芝居)を2回連続して観てきました。

お芝居は、これも以前に記したと思いますが、説教くさかったり、前衛的過ぎてよくわからなかったりして、あまり好きではありませんでした。

若い頃の観劇体験がよくなかったんだなあと、いまになって思います。実験的というものに面白さを求めたものの、観てみてあんまり感動しないという……。あとやっぱり素人に毛が生えたようなのはよくない。観客が役者を育てるという意味では、新人を発掘するような気持ちで見るといいのかもしれないですが、そこまでお人好しではないんで(笑)

でも、役者さんや演出家、脚本家がちゃんと揃ったものであれば見ごたえのあるものと改めて感じ、見てみたいと思った役者さんが出演する芝居を選んで観に行こうと決めたのでした。「生」に勝るものはない。

それが今月は2つ重なりまして、夫T君も巻き込みながら、観に行ってきました。

まずはこれ。
日の本一パンフ.jpg

小泉今日子さんの個人事務所である「明後日」が初プロデュースした作品「日の本一の大悪党」。

小泉今日子さん(キョンキョン)の初演出もさることながら、安田顕さん(ヤスケン)の実物を見てみたかった、という作品です。

キョンキョンの最近の活躍ぶりは目を見張るものがあって、自力でよくここまで確立してきたと感心していました。芸能界の嫌な面にも遭遇しているのでしょうが、それをものともせずにここまでやってきたと。エライ! アイドルだったのにね^^;

ちゃんと芸事に向き合って行こうという姿勢が窺えて、とても好感が持てます。

さて、この作品は「四谷怪談」をモチーフにしたお芝居でした。四谷怪談ってどんな話だっけ? というくらいろくな知識もなく観劇しました。

四谷怪談について、詳しくはwikiでどうぞ→四谷怪談

お岩さんの怨念が次々と災いを起こし……という部分に、異なった解釈を加えて新しいお話にされていました。一言で言うと純愛物になるでしょうか。あるところで愛が誤作動を起こし、話を混沌とさせるのですが、最後には主人公が大見得を切って、その愛を昇華させるという、そんなお話でした。

雑な説明……すみません^^;

あらすじは、wikiにある「東海道四谷怪談」とほぼ同じですが、日の本一の大悪党としての説明はこちら(公式サイトの紹介文から)。 

『お日様の匂いのするような優しい伊右衛門と、
 ただただ伊右衛門を愛し、尽くすお岩。
 でもお岩には誰にも言えない秘密がある。
  気っ風のいい年増のおばさんのお梅は伊右衛門に一目惚れ。
  伊右衛門の幼馴染、松之助の密かな想い。
  日向の匂いに惹きつけられたお人好し達にやがて悲劇が訪れる。
  誰も悪くない。
 みんな誰かを愛してる。
  今も昔も変わらない普遍的な愛の物語。』

芝居の内容は別として、キョンキョンの演出に注目していたのですが、自分以外の役者さんをずいぶんと引き立てていたように感じました。お岩さんという役を本人が演じていたにも関わらず、脇役っぽい立ち居振る舞い。まあ、最後のシーンなどは、キョンキョンがいいとこどりをしているんですけどね^^;

ヤスケンの殺陣シーンは迫力がありました。大変だったろうなあと。

なにしろ、うっかり一番前の真ん中の席が取れてしまって、「ちょっともう近すぎて恥ずかしい」って場所だったんですよ。唾が飛んできそうな……(笑)

映画と同じで、一番前は見るのは厳しいです。舞台全体を見ることができないし、首が痛くなりました。

つまりは役者さんをじっくり見ることができたお芝居ではあったということです、はい。

でもね、よかったんですよ。お梅さん役をされていた脚本家(竹田新さん)でもある山野海さん、津村知与支さん、福島マリコさん、浜谷康幸さん、渡部豪太さん……みなさん、しっかりとした役者さんたちでした。素晴らしいと思いました。

あとね、パンフレットがおしゃれに仕上がってます。写真や色調がいい。



次に観に行ったのがこれです。
メルシー!.jpg

志の輔さんの落語をお芝居にしたものです。

座長は中井貴一さん。中井貴一さんの座長公演を2回観たことになります。1回目は「趣味の部屋」。

単純に中井貴一さんファンだからというのがありますが、パルコ劇場が改築される前の公演ということで、観ておかなくちゃと思ったこともあります。それから音尾君を観てみたかったから。
(これでチームナックスのうち、洋ちゃんだけ実物を見ていないということになりました^^;)

志の輔らくごがもとになっているということであれば、面白くないわけがない。とても笑えるお芝居になっていました。

ただ4つの落語を組み合わせているので、んん? これは要らないんじゃないの? というところもありましたが、それは役者さんの力でぐいぐい持って行ったという印象。勝村政信さんの力は大きかったなあ。

中井貴一さんは安定の演技。

へえ、と感心したのはYOUさん。声が小さくて、舞台は無理なのでは? と思っていたのですが、いえいえ、なかなか大きな声が出ていて驚きました。面白いし。

この2つのお芝居を観ていて思ったのは、舞台出身の役者さんは声が大きくて、やっぱり舞台映えするということ。キョンキョンも中井貴一さんも声が少々小さくて、それが残念でした。

それから、メルシー! のほうは後ろに座っていた女性が笑うところでもないのに、大声で常に笑っているというしょうもない災難に遭ってしまって、セリフが聞き取りにくいという珍事(?)

お芝居を観に来ていたというより、笑うために来ていたという女性のようでした。こういう人はちょっと困る。




はてさて、舞台でのお芝居はやらないと言っていた役者さんが、最近ではどんどんと舞台へと進出してきているように思います。

やっぱりライブが楽しいと思うようになってきているのかなあ、と。

結局、身近にリアルに感じていたものが、ネット社会のお蔭で何もかもバーチャルな感じになってきてしまっていてモヤモヤしているのではないか。そう感じる人が多くなってきているのではないかと思うのです。

その反動での舞台。

実際、私はそうです。バーチャルはやっぱり信用できないし、真実ではない(のではないか)と思っています。

さらに、TVドラマや映画はまた別物で、観客としての私はいいのですが、おそらく役者さんたちは何かやっぱり面白さをライブに求めてきているのではないかと思うわけです。

舞台だと観客のレスポンスが直に感じられるはずですから。そこの違いが大きいのではないかと、そんなことを考えました。


ミュージシャンもライブがあってこそ。

米国などではよく行われている、作家による朗読とかも、これからは行われるようになるかもしれませんね。


やはりライブで見聞したものが、血となり肉になっていく。


それはそれは大切なことだと思いました。





おしまい。



追記
サヘル・ローズさんの実物を見られたのもよかったです。彼女の壮絶な生い立ちはご存じの方も多いと思います。TVで見かけるたびに応援していました。なんかね、このお芝居に出られてよかったね、と思いました。
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