日本語、おかしくありませんか? [プンプン]
箱根、大涌谷の噴火をとても心配しています。
箱根は地元、県民ということもある。すぐ行ける温泉地としてありがたいところでもある。長く親しんできた場所だから、とても心配しています。
だからこそ、しっかり防災をしてほしいし、被害を最小限にしてもらいたいと思うのです。
だけど……。
大涌谷が噴火したのではないかという情報を得たときに、気象庁の煮え切らない会見に激しく疑問を持ち、火山の専門家のツイート、ブログを読み漁りました。
すると、火山学者さんたちが大変怒っておられました、気象庁の発言が珍妙なことに。
当初は「地すべりに誘発された噴気孔からの吹上げ」と言っていた気象庁。でも火山学者さんたちは「あれを噴火と言わずして何と言うか」と過去のさまざまな例、「噴火」の定義を挙げながら、気象庁の批判を始めました。
うさはかせ Prof.Lièvreという名の、静岡大学防災総合センター教授 小山真人さん、そして、群馬大学教育学部教授 早川由紀夫さんのおふたりのツイートがよくわかるので、少し紹介させてもらいます。
と、6月29日の段階で、すでにこんなツイートをしていたのです。
気象庁が自ら定義していたことから逸脱するってどういうこと? と素人の私は考えました。
思うことは一つですよ。いわゆる「風評被害」を恐れてのこと。「経済を優先して」ということなのでしょう。
それにしたって、「噴火」を「噴火ではない」と言ったり、「火口」を「噴気孔」や「火孔」と言ったり、わざわざ言葉を変えてまで発表することなのでしょうか。
思い出しました。福島の原発事故でのこと。
「炉の溶解」という言葉をずーっと使っていて、決して「メルトダウン」と言わなかったことを。
「それってメルトダウンのことじゃないの?」と私は突っ込みまくっていましたよ。
わざと言葉を変える官公庁って一体何? と疑問を投げかけざるを得ません。
東北大学大学院理学研究科教授 中村美千彦さんはこう言っています。
『噴火を噴火じゃないと強弁すると、「降って来たのが噴石じゃなくて火山灰で良かった」とか「次、もっと規模が大きいと噴石が降るかも」とか「次の水蒸気噴火も、またいきなり発生するだろう」という方向に、人の頭が働くのを妨げる。それが困る』
本当にその通りです。人の頭の働きを妨げる要因にもなる。
結局丸一日たって噴火と認め、噴火警戒レベル3に引き上げられたのですが。
『気象庁は29日昼の降灰を認めながら、自らの認定基準(100-300m以上遠方の降灰を噴火とする)をねじ曲げて噴火を否定した。30日になってようやく噴火を認めたけど、噴火は29〜30日の夜間のどこかで生じたとしていて、29日の判断ミスを認めていない。』
『さらに30日午前に目前で噴火していてもそれを噴火と認識できないし、噴火は噴気孔から生じたと言ってる状態。噴火が起きた場所を火口と呼ぶ。大涌谷に開いたのは直径10mの火口だし、映像から判断して少なくとも30日の午前中は噴火継続してた。』
『ずっと以前からそうだが、気象庁は地表で起きる噴火現象の解釈に弱すぎる。昨年9月も火砕流の映像みながら火砕流を否定した(あの時は誤りを認めた)。火山の地質学を学んだ人間を採用しないからだ。気象庁に地質学者はほとんどいない。』
うさはかせ、激しくお怒りです。
そしてこんな発言。
『上からの圧力で「風評被害」に全力で気を配らなければならなくなった気象庁は、ついに火口を噴気孔と呼ぶなどの言葉遊びを始めた。今後気象庁の火山情報をよみとくためにはそういう言葉の読み替えに気を使うリテラシーが必要になった』
気象庁の日本語がすっかりおかしくなりましたね。
何をかいわんやです。
ツイートの引用が長くなりましたが、時系列(TL)で見て行くと実に興味深く、官公庁との齟齬がこういった世界でも生じるのかと思うと、呆れるやら悲しいやら。
強弁を繰り返す政治家さんたちの顔が浮かんできましたよ。
あの東京16区の大西英男議員の発言。
「日本の国を過てるような、そういった誤った報道をするようなマスコミに対して、私は広告は自粛すべきじゃないかなと個人的には思います。だけど、政治家として政治権力を使うとか政党の力でそういうことをやるというのは民主主義の根底をゆるがすことですよ」
「懲らしめようという気はあるんですよ。一部のマスコミですよ。だって社会的制裁受けてない」
「何らかの国民的な方法を考えていかなきゃいけないな。それについて百田先生のご意見を伺ったということです」
バカな発言として呆れる以外の何物でもないのですが、「国民的な方法」という言い方を聞いて、はて? と私は考えました。
まったく意味することがわかりません。何が言いたいんでしょうね。
日本語がわかりません。
百田なにがしに聞いたって、「国民的な方法」でマスコミに社会的制裁を加えるなんてできるわけがないでしょう。
要するに、法律(国民的な方法?)で何とかしたいということを言いたいのでしょうけどね。
国民的には賛同できない発言であるにもかかわらず。
「私、日本語がわかりません」とアホになるしかないのか、と思わせる出来事でした。
ふう。
したって、いろんなことがありすぎて疲れてきましたが、いやいや、でも忘れてはいけません。
うやむやにされてしまうことが一番やっかいで、危険なことです。
ともあれ、箱根が怒りをおさめてくれることを祈ります。
7月1日の夕焼け。
おしまい。
箱根は地元、県民ということもある。すぐ行ける温泉地としてありがたいところでもある。長く親しんできた場所だから、とても心配しています。
だからこそ、しっかり防災をしてほしいし、被害を最小限にしてもらいたいと思うのです。
だけど……。
大涌谷が噴火したのではないかという情報を得たときに、気象庁の煮え切らない会見に激しく疑問を持ち、火山の専門家のツイート、ブログを読み漁りました。
すると、火山学者さんたちが大変怒っておられました、気象庁の発言が珍妙なことに。
当初は「地すべりに誘発された噴気孔からの吹上げ」と言っていた気象庁。でも火山学者さんたちは「あれを噴火と言わずして何と言うか」と過去のさまざまな例、「噴火」の定義を挙げながら、気象庁の批判を始めました。
うさはかせ Prof.Lièvreという名の、静岡大学防災総合センター教授 小山真人さん、そして、群馬大学教育学部教授 早川由紀夫さんのおふたりのツイートがよくわかるので、少し紹介させてもらいます。
固形物が噴出場所から300mを超えて届いたら噴火として記録すると気象庁は自分で定めたのだから、噴出場所から1km離れた三差路で固形物を確認したときすみやかに噴火を国民に広報する責任が気象庁にあった。しかし残念ながら、まだ広報してない。 pic.twitter.com/ugla9nhH6j
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) 2015, 6月 29
地すべりに誘発された噴火が噴火じゃないんだったらセントヘレンズ1980年噴火も噴火じゃないね。
— うさはかせ Prof.Lièvre (@usa_hakase) 2015, 6月 29
噴火したのに噴火してないと気象庁が言うのは、まあそれほど驚くことでもない。昨年9月の御嶽山でも、火砕流出たのに火砕流でないと噴火翌日ヘリ飛ばして職員乗せて答弁させたものね。ただし、その夜の予知連会見であっさり否定されたけどね。火砕流だった。さて、今回の否定はいつだれによって?
— 早川由紀夫 (@HayakawaYukio) 2015, 6月 29
と、6月29日の段階で、すでにこんなツイートをしていたのです。
気象庁が自ら定義していたことから逸脱するってどういうこと? と素人の私は考えました。
思うことは一つですよ。いわゆる「風評被害」を恐れてのこと。「経済を優先して」ということなのでしょう。
それにしたって、「噴火」を「噴火ではない」と言ったり、「火口」を「噴気孔」や「火孔」と言ったり、わざわざ言葉を変えてまで発表することなのでしょうか。
思い出しました。福島の原発事故でのこと。
「炉の溶解」という言葉をずーっと使っていて、決して「メルトダウン」と言わなかったことを。
「それってメルトダウンのことじゃないの?」と私は突っ込みまくっていましたよ。
わざと言葉を変える官公庁って一体何? と疑問を投げかけざるを得ません。
東北大学大学院理学研究科教授 中村美千彦さんはこう言っています。
『噴火を噴火じゃないと強弁すると、「降って来たのが噴石じゃなくて火山灰で良かった」とか「次、もっと規模が大きいと噴石が降るかも」とか「次の水蒸気噴火も、またいきなり発生するだろう」という方向に、人の頭が働くのを妨げる。それが困る』
本当にその通りです。人の頭の働きを妨げる要因にもなる。
結局丸一日たって噴火と認め、噴火警戒レベル3に引き上げられたのですが。
ニュース7の新しい噴気孔とやらの映像(きょう午前10時)に弾道を描く大きな噴石放出が写っている。こういうのは噴気ではなくて噴火。昨年の御嶽山と比べれば一目でわかる。 pic.twitter.com/dsU2xzKicr
— うさはかせ Prof.Lièvre (@usa_hakase) 2015, 6月 30
噴火が始まってレベル3になったのだから「規制区域外は安全」などはもう禁句にしてほしい。火山灰や小さな噴石は規制区域外にも降る。大涌沢の火山泥流は規制区域の外に流れ出る。箱根町火山防災マップにすべて描かれている。ハザードマップの原点にもう一度立ち戻ってほしい。
— うさはかせ Prof.Lièvre (@usa_hakase) 2015, 7月 1
『気象庁は29日昼の降灰を認めながら、自らの認定基準(100-300m以上遠方の降灰を噴火とする)をねじ曲げて噴火を否定した。30日になってようやく噴火を認めたけど、噴火は29〜30日の夜間のどこかで生じたとしていて、29日の判断ミスを認めていない。』
『さらに30日午前に目前で噴火していてもそれを噴火と認識できないし、噴火は噴気孔から生じたと言ってる状態。噴火が起きた場所を火口と呼ぶ。大涌谷に開いたのは直径10mの火口だし、映像から判断して少なくとも30日の午前中は噴火継続してた。』
『ずっと以前からそうだが、気象庁は地表で起きる噴火現象の解釈に弱すぎる。昨年9月も火砕流の映像みながら火砕流を否定した(あの時は誤りを認めた)。火山の地質学を学んだ人間を採用しないからだ。気象庁に地質学者はほとんどいない。』
時事ドットコム:1日朝もごく小規模噴火=箱根山・大涌谷で火山灰-気象庁 http://t.co/8EAfMYsGHt 火山学をねじ曲げるのもたいがいにしてほしい、気象庁。
— うさはかせ Prof.Lièvre (@usa_hakase) 2015, 7月 1
うさはかせ、激しくお怒りです。
そしてこんな発言。
『上からの圧力で「風評被害」に全力で気を配らなければならなくなった気象庁は、ついに火口を噴気孔と呼ぶなどの言葉遊びを始めた。今後気象庁の火山情報をよみとくためにはそういう言葉の読み替えに気を使うリテラシーが必要になった』
気象庁の日本語がすっかりおかしくなりましたね。
何をかいわんやです。
ツイートの引用が長くなりましたが、時系列(TL)で見て行くと実に興味深く、官公庁との齟齬がこういった世界でも生じるのかと思うと、呆れるやら悲しいやら。
強弁を繰り返す政治家さんたちの顔が浮かんできましたよ。
あの東京16区の大西英男議員の発言。
「日本の国を過てるような、そういった誤った報道をするようなマスコミに対して、私は広告は自粛すべきじゃないかなと個人的には思います。だけど、政治家として政治権力を使うとか政党の力でそういうことをやるというのは民主主義の根底をゆるがすことですよ」
「懲らしめようという気はあるんですよ。一部のマスコミですよ。だって社会的制裁受けてない」
「何らかの国民的な方法を考えていかなきゃいけないな。それについて百田先生のご意見を伺ったということです」
バカな発言として呆れる以外の何物でもないのですが、「国民的な方法」という言い方を聞いて、はて? と私は考えました。
まったく意味することがわかりません。何が言いたいんでしょうね。
日本語がわかりません。
百田なにがしに聞いたって、「国民的な方法」でマスコミに社会的制裁を加えるなんてできるわけがないでしょう。
要するに、法律(国民的な方法?)で何とかしたいということを言いたいのでしょうけどね。
国民的には賛同できない発言であるにもかかわらず。
「私、日本語がわかりません」とアホになるしかないのか、と思わせる出来事でした。
ふう。
したって、いろんなことがありすぎて疲れてきましたが、いやいや、でも忘れてはいけません。
うやむやにされてしまうことが一番やっかいで、危険なことです。
ともあれ、箱根が怒りをおさめてくれることを祈ります。
7月1日の夕焼け。
おしまい。