弾丸金沢の旅④ [旅話]
21世紀美術館の企画展「3.11以後の建築」のことを書いてから、つらつらと、なんでよくないように感じたのか考えていました。
ゲスト・キュレーターには五十嵐太郎さん、山崎亮さんを迎え、私は存じ上げませんが、建築評論家、コミュニティデザイナーとしてその道のプロであるらしいということは調べてわかりました。
会場マップを改めて眺めて気づいた点は、展示室がどこも通路で区切られているので、やっぱり流れを作るのにあまりよくないのだと感じました。関連性がぶった切られるというか……。
そういう展示室の造りであることから、それぞれの部屋にテーマを設けて展示をしたのだろうと考えられます。しかし、そのそれぞれのテーマも結局通路を間に挟んで展開されているので流れがない。展示室ごとに完結しているようなってしまっているのだと理解しました。なので、一室一室回るたびに、それまで持っていた思考も一旦ニュートラルにして、そして展示品と向かい合わなくてはいけない状況になってしまっていたのだと。
うむ。
結局、展示物のボリュームがあり過ぎたのではないかと思います。言いたいことが多すぎると言ったらいいのかな。でもその割に、展示しているものが散漫な感じもしたりして、う~……何だかやっぱり残念なのでした。
せっかくいい企画なのに、よく見せられなかったという感じですね。
あ~、それとアートの要素を持ちたかったのかもしれないなあとも感じました。でもテーマがテーマなだけに、むしろもっとアカデミックな要素を盛り込んだらよかったのではないかと思います。
よし、これで結論付けよう。
そして、金沢ではこういうところもありました。
「YANAGI SORI DESIGN MEMORIAL」金沢美術工芸大学 柳宗理記念デザイン研究所の展示資料室です。
こちらはこじんまりとした展示場なのですが、21世紀美術館と違って、手にとってもいいし、座ってみてもよかったようです。
展示資料室のガイドを改めて読むとこんなことが書かれていました。
「この展示資料室では、直にモノを見、触れてモノと対話して欲しいと考え、キャプション・説明文は一切用意しておりません。余計な知識や先入観なしに、無心にモノと向き合って自らの眼で素直に美を感じ取っていただくことを大切にしています。この展示資料・空間を通して、柳宗理のデザインにおける考え・姿勢を知っていただけたら幸いです(デザイン監修:柳工業デザイン研究会)」
金沢美術工芸大学で教鞭をとられていたことから、これが作られたようですが、この展示資料室は入場も無料で、自由に見て回っていいという、これは実にいいシステムでした。しかも私が行ったときは全く誰もいなくて、写真も撮ってもいいみたいだし(撮影禁止の表示もなし)、見る人の良心に委ねられた場所でした。
そういう精神性は好みなので、実に居心地のいいところでした。
唯一の説明はこちら。
(クリックすると大きくなります)。
見ての通り、柳宗理さんの世界です。シンプル。
柳宗理さんがデザインしたものは一つも持っていないのですが、ちょっと欲しいなと思っているのが「キッチンナイフ」。
大きさが私の手にちょうどよさそうだよなあ~といつも見ていたのでした。でも買っていない^^;
いつか手に入れようと思うとります。
そしてこの展示資料室の裏手には、「泉鏡花記念館」があります。
が、私は時間があまりにもなかったので、ここは入らずじまい。残念。
ここはまたいつか……。
つづく。
ゲスト・キュレーターには五十嵐太郎さん、山崎亮さんを迎え、私は存じ上げませんが、建築評論家、コミュニティデザイナーとしてその道のプロであるらしいということは調べてわかりました。
会場マップを改めて眺めて気づいた点は、展示室がどこも通路で区切られているので、やっぱり流れを作るのにあまりよくないのだと感じました。関連性がぶった切られるというか……。
そういう展示室の造りであることから、それぞれの部屋にテーマを設けて展示をしたのだろうと考えられます。しかし、そのそれぞれのテーマも結局通路を間に挟んで展開されているので流れがない。展示室ごとに完結しているようなってしまっているのだと理解しました。なので、一室一室回るたびに、それまで持っていた思考も一旦ニュートラルにして、そして展示品と向かい合わなくてはいけない状況になってしまっていたのだと。
うむ。
結局、展示物のボリュームがあり過ぎたのではないかと思います。言いたいことが多すぎると言ったらいいのかな。でもその割に、展示しているものが散漫な感じもしたりして、う~……何だかやっぱり残念なのでした。
せっかくいい企画なのに、よく見せられなかったという感じですね。
あ~、それとアートの要素を持ちたかったのかもしれないなあとも感じました。でもテーマがテーマなだけに、むしろもっとアカデミックな要素を盛り込んだらよかったのではないかと思います。
よし、これで結論付けよう。
そして、金沢ではこういうところもありました。
「YANAGI SORI DESIGN MEMORIAL」金沢美術工芸大学 柳宗理記念デザイン研究所の展示資料室です。
こちらはこじんまりとした展示場なのですが、21世紀美術館と違って、手にとってもいいし、座ってみてもよかったようです。
展示資料室のガイドを改めて読むとこんなことが書かれていました。
「この展示資料室では、直にモノを見、触れてモノと対話して欲しいと考え、キャプション・説明文は一切用意しておりません。余計な知識や先入観なしに、無心にモノと向き合って自らの眼で素直に美を感じ取っていただくことを大切にしています。この展示資料・空間を通して、柳宗理のデザインにおける考え・姿勢を知っていただけたら幸いです(デザイン監修:柳工業デザイン研究会)」
金沢美術工芸大学で教鞭をとられていたことから、これが作られたようですが、この展示資料室は入場も無料で、自由に見て回っていいという、これは実にいいシステムでした。しかも私が行ったときは全く誰もいなくて、写真も撮ってもいいみたいだし(撮影禁止の表示もなし)、見る人の良心に委ねられた場所でした。
そういう精神性は好みなので、実に居心地のいいところでした。
唯一の説明はこちら。
(クリックすると大きくなります)。
見ての通り、柳宗理さんの世界です。シンプル。
柳宗理さんがデザインしたものは一つも持っていないのですが、ちょっと欲しいなと思っているのが「キッチンナイフ」。
大きさが私の手にちょうどよさそうだよなあ~といつも見ていたのでした。でも買っていない^^;
いつか手に入れようと思うとります。
そしてこの展示資料室の裏手には、「泉鏡花記念館」があります。
が、私は時間があまりにもなかったので、ここは入らずじまい。残念。
ここはまたいつか……。
つづく。
なるほどですね〜。
妹島和世さんの建築は実はほとんど見に行ったことがない(←不勉強なんですが、線が細い建築があまり好みではないのかな?)
なのですが、この展示は建築の器の問題と現在の建築の迷走状態によるものと両方なのかもしれませんね?
見ても良くわからない、説明を読んでもすっきりしない作品が多くないですか?
それに比べて柳宗理さんの世界って写真を見るだけで伝わりますもんね。
昔と違って社会がこれだけ複雑になってしまってるから建築も最終形になると表現が変わってしまうのはある程度理解できるんですけど...。
toroさんのお話、自分の仕事にもとても参考になりました。
ありがとうございます!
by nakasama (2015-04-17 09:53)
*nakasamaさま*
建築のことは全くの素人なので、nakasamaさんにご意見を伺いたかったところでした!
確かに「迷走」という言葉がぴったりなのかもしれません。
そうなんですよ。すっきりしませんでした。頭の上にクエスチョンマークがいくつも浮かぶような。
展覧会としては、核となる人がしっかりと指揮を取ればよかったのでしょうが、おそらくそれができなかったんだろうなあという印象です。
アプローチの方法に問題ありという感じです。
しかし、国立競技場のことといい、建築に関しては迷走が各所でみられているということですね。考えさせられるなあ。
妹島和世さんの建築をいろいろ検索してみましたよ……。
善し悪しは別として、共通する何かに好き嫌いが分かれそうですね~。
ガラスが多い^^;
*makimakiさま*
ありがとうございます。
by toro (2015-04-17 18:40)